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猫白血病はうつる?多頭飼いの可否、同居猫への感染力や感染経路について

猫白血病ウイルス感染症,FeLV

もし、あなたの飼い猫が猫白血病キャリアの猫ちゃんで、かつ、多頭飼いでノンキャリアの猫とともに同居している場合、気をつけなければならないことがたくさんあります。

特に、キャリア猫からノンキャリア猫へ感染が広がってしまうことは、非常に気になることの一つではないでしょうか?
また、同居猫への感染力や感染経路、どのようにうつるのかということも、猫白血病とともに戦う飼い主さんにとってはしっかりと押さえておきたいところですね。

そもそも、多頭飼いは可能なのでしょうか?

今回は、猫白血病の感染率や多頭飼いの可否、その注意点についてお伝えいたします。
猫白血病陽性猫とともに暮らす私の実体験もご参考にしてくださいね!

猫白血病はうつる?感染力はどのぐらい?

猫白血病の感染力

猫白血病ウイルスの「感染力」自体は実は非常に低いです。
というのも、猫白血病ウイルスは猫の体から出てしまうと、数時間〜2日間しか生きられません。

しかし、「感染率」となれば話は別です。

感染率は猫の子猫と成猫では大きく異なり、

  • 生後1ヶ月〜1ヶ月半の子猫 →約50%
  • 1歳以上の成猫 →約10%

の確率で感染します。

これは、幼い子猫のほうが免疫力が低いからです。

また、外猫は他の猫と接触する可能性が高いため、比例して感染率も当然高くなります。
ちなみに日本で暮らす猫全体のウイルス保有率は、3〜5%で、先進国の中では多い方になります。

猫白血病は人や他の動物にうつるのか?

猫白血病は人にはうつらず、犬などの他の動物にもうつりません。
しかし、「他の動物」とは言っても「ネコ科」であれば感染します。

猫白血病の感染経路は?

猫白血病ウイルスは、感染している猫の唾液、涙、尿、便、血液、乳汁(母乳)に含まれており、特に唾液には多く含まれています。

したがって、このウイルスの感染経路には下記の2つのケースがあります。

母子感染(垂直感染)

感染した猫が妊娠し、胎盤を介してお腹の赤ちゃんへ感染したり、乳汁(母乳)を与えたことで子猫が感染すること。
母子感染の場合、子猫の猫白血病の感染率はほぼ100%となります。

胎盤感染の場合、流産や死産となるケースが多く、生きて生まれてくることはほとんどありません。

接触感染(水平感染)

感染した猫に直接接触したり、感染した猫が接触した「物」に間接的に接触することによって成立する感染。

例えば、ケンカによる噛み傷やグルーミングによる感染、または、感染した猫の唾液がついた食器を共有するなどが原因として考えられます。

多頭飼いの可否や注意点

ノンキャリア猫との同居は可能か?

猫白血病のキャリア猫とノンキャリア猫との同居については賛否両論がありますが、感染の可能性を危惧して同居は避けるべきという考え方を持っている人がどちらかといえば多いようです。

どれだけ飼い主が注意をしていても、同じ家に住んでいれば接触を避けることは「100%、絶対にできる」とは言い切れないですし、ノンキャリア猫と同じ空間で生活する上でキャリア猫の自由を制限してしまうことも少なからず発生し、それが可哀想だからという考え方もあります。

それは確かに一理あるのですが、少なくとも飼い主側の努力によって感染の大部分を防ぐこともまた可能ではありますし、実際に同居を実現している人も少なくありません。

つまり、猫白血病の原因がキャリア猫との接触であるならば、ワクチン接種等の最低限の対策や、お互いの「接触」さえしないように気をつけていれば同居も可能だということです。

事実、私の場合は、猫白血病ウイルスの陽性反応が出た猫1匹と、ノンキャリア猫3匹と一緒に暮らすことを選択しました。
普通の多頭飼い以上の注意を払わなければならないですし、精一杯の努力をしても感染のリスクはつきものですが、それでもうまく共存させキャリアの子もノンキャリアの子も幸せに暮らせる心がけています。

猫白血病ウイルス感染症とわかっている猫ちゃんを新たに迎え入れるというのは難しく抵抗があるかもしれませんが、それももちろん可能です。
ですが、あなたにすでに飼い猫がいて、外でキャリア猫を保護する機会があった場合、飼い猫への感染を危惧して他に飼い主さんを探すという選択だって間違ってはいないのです。

これに関してはどちらが良いとか悪いという話ではなく、あなたの考え方やどこまで対処が可能かという状況にもよりますので、納得のいく判断をするようにしましょう。

多頭飼いの場合の注意点

もし、あなたが猫白血病キャリア猫とノンキャリア猫を含む多頭飼いという選択をする場合、次の点に十分注意してください。

飼育部屋を別々にする

飼育部屋を別々にすることが、最もノンキャリア猫との接触を避けられる方法です。
別途、キャリア猫だけのお部屋を用意し、他の猫(ノンキャリア猫)はその部屋に絶対に入れないようにします。

飼育部屋を分けるメリット

  • ほぼ100%接触を避けられる
  • 食器やトイレの共有が起きない
  • キャリア猫も広いスペースで伸び伸びと暮らせる

 

この時、以下の2点に十分注意してください。

ドアの開け締めの際の猫の出入りに気をつける

ドアの開け締めの際には、周りをよく確認しましょう。
うっかりしていると、この時に猫がお互いのスペースに出入りしてしまう機会を与えてしまうことになります。

しかし猫は神出鬼没。いきなり後ろから走って滑り込みなんてことも有り得ますよね。

そういった思わぬハプニング対策としては、猫用の脱走防止フェンスやパーテーション等をドアの前に設置する方法も効果的です。
ちなみに、犬用の所謂「サークル」だと、猫は簡単に飛び越えてしまうので意味がありません。必ず猫用の物を用意しましょう。

猫が自分でドアを開けられないようにする

猫は本当に器用で賢い生き物ですから、ドアを開けるなんてお茶の子さいさい、なんて猫ちゃんも少なくはありませんよね。
私の飼い猫もドアを自分で開けることができ、自分で自由に部屋を行き来しています^^;

これでは猫の出入りを自由にさせていることになってしまい、キャリア猫とノンキャリア猫を隔離している意味が全くありませんから、猫が自分でドアを開けられないようにする最低限の工夫は必要になります。

少なくとも、ドアストッパーは必ず使用するようにしましょう。

MEMO

レバータイプのドアノブの場合は、ハンドルを縦向きにすると猫ちゃんが飛びついて開けてしまうのを防げますよ^^

猫が自分で出入りできない対策をして、完全に部屋を分けられるように徹底してくださいね。

キャリア猫をゲージで飼う

キャリア猫をゲージで隔離し他の猫との接触を防ぐという方法になりますが、これは実際に私の家でも対策しており非常に効果的です。

注意点は以下の2点です。

  1. ゲージの隙間から手を出すことによる接触を防ぐ
  2. キャリア猫をずっとゲージに入れっ放しにしない

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

ゲージの隙間から手を出すことによる接触を防ぐ

ゲージで飼っていても、キャリア猫がその隙間から手を出したり、あるいはゲージの外からノンキャリア猫が手を入れたりすれば、接触に繋がります。

当然ですが、猫の手(前足)が常に清潔であるとは限りません。

排泄して砂をかける時に少し前足に「おしっこ」がついてしまい、その直後に他の猫に触れたら・・・。
前足を怪我していて「血」が流れていたら・・・。

実際には、ちょっと触れただけで感染することはなく、ましてや、怪我をしていれば私たち飼い主が気付いて対処をしているはずですが、接触経路が成立しているので感染する可能性として十分に考えられます。
また、ゲージに顔を押し付けて舌を出して他の猫を舐めるという可能性も十分あり得ることです。

猫白血病のキャリア猫がいる環境での多頭飼いは、そんな「万が一」にもしっかり配慮し防いでいかなくてはいけません。

 

ゲージ飼いでも確実に接触を防ぐ方法として、このような対策を行っておきましょう。

Point1ダブルゲージにする

ダブルゲージとは、猫の普段生活するゲージの外側に、更に大きいゲージを設置してダブル、つまり2つのゲージを使う方法です。
これなら手が届くことはありませんが、かなりスペースを取ることになるので、設置が難しい場合もあります。

Point2木の板などでゲージの隙間を塞ぐ

ホームセンター等でゲージに合ったサイズの木の板を購入し、ゲージの側面に取り付け、ゲージの隙間を塞ぐという方法です。
しかし、木の材質によってはささくれやトゲが出てくることがありますので、そんな時は「液体ガラス塗料」で木をコーティングしておくのがいいですね。
(※液体ガラス塗料は、完全無機質のため人や猫の体にも優しく安全です。)

ただ、ゲージ全体を塞いでしまうと、ゲージの中のキャリア猫の様子が飼い主の私達からも窺えず、何より外を見られない猫ちゃんが可哀想ですね。

Point3ワイヤーラックを重ねて隙間を狭くする

100均のワイヤーラックを繋げてゲージ全体を囲む方法も効果的ですが、そのままではラックの目が荒く簡単に接触できてしまうので、ワイヤーラックを重ねて隙間を狭くします。

100均やホームセンターで手に入るワイヤーラックを、結束バンドや丈夫な紐等でゲージに取り付けましょう。
ポイントは、このように網目をずらして隙間を狭くして取り付けることです。

説明のためにワイヤーラックを2枚重ねていますが、ワイヤーラックを1枚をゲージにつけて隙間が狭くなればOKです。
結束バンドの余った部分も切っておきましょう。

キャリア猫をゲージに入れっぱなしにしない

ゲージの限られたスペース内でずっと生きていくというのは、猫にとってこれがどれだけストレスなことなのか想像に難くないと思いますし、あなたが猫白血病を迎え入れることを考えているのであれば、それがとても気がかりなことの一つだと思います。

運動不足やストレスにならないように、私の家では、キャリア猫に自由に伸び伸びとできる時間と場所を作ってあげるなどの工夫をしています。

まず、人の目が届く時間帯に、リビングでも寝室でもどこでも良いので、キャリア猫用の部屋を一部屋準備します。
そして、ノンキャリア猫達には他の部屋へ行ってもらい、準備した部屋でキャリア猫を思う存分遊ばせてあげるのです。

部屋中を走り回らせても良し、おもちゃで遊ばせたり一緒に遊ぶのも良し、たくさん撫でてあげたり、とにかく自由にさせてあげるのがいいですね。
子猫の場合は、自分の体力の限界がわからずに遊び過ぎてクタクタになってもいけないので、時間を決めて遊ばせるようにします。

キャリア猫を遊ばせる時の注意点

  • ノンキャリア猫を遊び部屋に入れない
  • ノンキャリア猫のおもちゃや食器を入れない
  • ノンキャリア猫のトイレが置いていない部屋を選ぶ

    食器やおもちゃ、トイレの共用は避ける

    直接の接触がなくても、ノンキャリア猫が使う物をキャリア猫と共有してしまうと、間接的に感染する可能性があります。

    食器は食事をするためのものなので嫌でも唾液がついてしまいますし、おもちゃも猫によっては噛んだり吸ったりすることで唾液がつきます。
    また、ウイルスは尿や便にも含まれているので、トイレの共有も厳禁です。

    キャリア猫、ノンキャリア猫それぞれの愛用品は、それぞれの手の届かないところで管理しましょう。
    食器に関しては、出しっ放しにしないのが良いでしょう。

    キャリア猫を触ったあとは手洗い

    キャリア猫をいっぱい撫でてあげたり、一緒に遊んだりして触ったあとは、しっかり手を洗いましょう。

    触っただけでなく、あなたの手を猫が舐めた場合には特に念入りに洗います。
    「触っただけだから・・・」と言って手洗いをしないのは良くありません。

    ここでもしっかり「万が一」に備えましょう。
    飼い主のあなたが入浴する前に、キャリア猫と遊ぶ時間をつくるのも良いですね。

    ノンキャリア猫のワクチン接種をする

    ワクチン接種を行ったことによる猫白血病の予防率は80〜90%で、ワクチン接種だけでは確実に感染を防げるわけではありません。

    したがって、

    • 部屋を分ける+ワクチン接種
    • キャリア猫をゲージで飼う+ワクチン接種

    といったように、物理的な対策もした上でワクチン接種も行うというように、対策を併用することをおすすめします。

     

    何事にも「100%」はそうそう存在しません。
    それでも限りなく100%に近付けるために、できることはやっておいた方が確実に良いです。

    まとめ

    ウイルスの感染率や感染経路、それを踏まえた多頭飼いの可否について説明させていただきましたが、いかがでしたか?

    多頭飼いするのは不可能ではないけれど気をつけないといけないことが多く、大変です。
    自信がなければ、無理に迎え入れてリスクを増やす必要はありませんし、それは悪いことではありません。
    一方で、今まで連れ添ってきた愛猫が感染してしまったり、新たに迎え入れようと思った猫に感染が発覚した時に、自分が面倒をみていこう!と決意して多頭飼いをすることも、悪いことではないのです。

    もしそうなったらどうするのか、しっかり考えて後悔のない選択をできることを願っています。

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