猫が餌をちょっと食べては移動して、少しするとまた食べ始めるような食べ方を『ちょこちょこ食い』といいます。
ちょこちょこ食いは猫特有の食べ方で、少しずつ食べる猫のペースに合わせているとご飯はどうしても出しっぱなしに…(*_*;
置き餌にはデメリットがあり、猫の健康を害する可能性もあるのでおすすめできません。
置き餌のデメリットややめる方法を紹介しますので、参考にしてください。
もくじ
猫の置き餌をやめた方がいいデメリット5つ
太る原因に
置き餌は太ると言われるのを聞いたことはありませんか?実際、置き餌は猫の肥満の原因の1つです。
置き餌は常に器に餌が入っている状態で、食べたい時にいくらでも食べられるもの。人間にとって時間制限がない食べ放題のようなもので、これで太らない方が不思議です。
食べたいだけ食べるタイプの猫ちゃんはどんどん食べてしまうため、置き餌は太る原因になってしまいます。
膀胱炎になりやすくなる
置き餌をすることによって膀胱炎になりやすくなります。食後には胃酸が出て尿のpH値が高くなってアルカリ性の状態になるためです。
pHとは
溶液が酸性かアルカリ性の程度を表す水素イオン濃度指数の単位です。
0~14の数値で表されてpH7が中性になり、7よりも数値が小さいと酸性、大きいとアルカリ性を示します。
尿pH値は一日の間に何度も傾く
健康な状態であれば尿pH値は6.5前後といわれていますが、食事によって尿pH値は上がってアルカリ性になり、運動や睡眠によって下がって酸性になるというように、常に変動しています。
置き餌をしていると、いつでも好きな時に餌が食べられるためダラダラと食べ続けて、結果的に尿pH値が上がったままのアルカリ性状態が続くことに。
アルカリ性の状態は雑菌が繁殖しやすい環境になるため、膀胱炎になりやすくなります。
猫の膀胱炎とは
膀胱炎は膀胱に炎症が起こる病気ですが、猫の膀胱炎には膀胱に細菌が侵入して炎症を引き起こす「細菌性膀胱炎」と、発症の原因を明らかにできない「特発性膀胱炎」があります。
猫の膀胱炎は尿pH値が高く雑菌が繁殖することで細菌性膀胱炎になる可能性もありますが、ストレスによる特発性膀胱炎の発生率の方が高いともいわれています。
膀胱炎を発症すると以下のような症状が出てきます。
- 頻尿
- 何度もトイレに行くけれど、尿の量が少ない
- おしっこが出るまで時間がかかる
- 排尿痛
- 尿がにごったり、血尿になる
- 水を飲む頻度が増える
- 元気がなくなる
- 食欲不振
- 嘔吐
ドライフードを主食にしている猫は、膀胱炎にかかりやすいともいわれています。ドライフードを主食に、または置き餌として使っている飼い主さんも多いのでは?
ドライフードは水分が少ないため、猫はより多く水を飲む必要があります。
いつでも餌を食べられる環境とドライフードという乾燥した餌を与え続けることで、猫が膀胱炎を引き起こす可能性が高まるのです。
ねお
健康チェックができない
置き餌をしていると餌をいつどれくらいの量を食べたかがわからないので、猫の健康状態を把握できません。
食欲があるのか、食べ過ぎていないか、など食べ方や量をチェックすることが猫の病気の早期発見につながります。
多頭飼育をしている場合の置き餌は、食べ方や量のチェックだけではなく誰が食べているのかもわからなくなってしまい、さらに病気の発見が困難な状況に陥ってしまいます。
不衛生
餌を長時間出しっぱなしにしていると、ホコリや小さなゴミ、時には猫砂が餌の中に入ってしまうことも。
人間なら長時間食べ物を出しておく場合ラップなどをかけてますが、置き餌はラップをしないまま放置しているのと同じです。
しかも猫が口を付けた餌は、唾液が付いて雑菌が繁殖しやすい状態です。時間がたつと衛生面はどんどん悪くなっていってしまうのです。
風味が落ちる
置き餌をすることでキャットフードの風味が落ちてしまいます。器に出して空気に触れると徐々に劣化が始まり、ウェットフードはカピカピに乾燥したり、ドライフードは湿気ってやわらかくなってしまいます。
せっかくのご飯はおいしく食べてもらいたいもの。猫は自分が食べる物は嗅覚を使って安全かどうかを判断しています。風味が落ちた置き餌は見向きもしなくなって、食欲不振につながりかねません。
猫のドライフードの置き餌もやめた方がいいのか?
置き餌をする飼い主さんはドライフードを選んでいる人が多いのではないでしょうか?
「傷みやすいのでは?」と不安を感じやすいのは、水分を多く含んでいるウェットフードでしょう。その点ドライフードはもともと乾いているので、少しくらいなら問題ないと感じるものです。
確かに、ウェットフードは開封後の保存期間が約1日と短く、保存する場合には容器からお皿などに移し替えて、ラップをしてから冷蔵庫に入れる必要があります。
空気に触れると酸化してどんどん劣化していくため、ウェットフードを室温で出しておくならば20分までを目安に。食べ終わった食器もすぐに洗うようにしましょう。
ウェットフードが開封後20分までなのに対して、ドライフードは半日までは持つとされ、どちらかといえばドライフードの方が置き餌に向いているといえます。
ですが、置き餌のデメリットにもあげたように、ドライフードでも時間がたつと風味は落ちてしまいます。
猫が好きな香りがどんどん飛んでしまい、湿気をすってカリカリとした食感がなくなっている場合も。風味を落とさずにおいしく食べてもらうならば1時間くらいを目安にしてください。
食べ残していたものは雑菌が付着しているので、袋などに戻して新しいフードと一緒にはしないように。もったいないかもしれませんが、衛生面や猫の健康を考えて全部捨てるようにしましょう。
猫の置き餌をやめる方法
置き餌には猫の健康に対するデメリットがあるとわかったからといって、急に置き餌をやめてしまうと猫が驚いてしまうのでNGです。
- 人間の食べている物を欲しがる
- しつこく鳴いて餌を欲しがる
- 餌の袋を破って勝手に食べる
- ゴミ箱を漁る
急な環境の変化は猫にとってストレスとなり、問題行動をするようになります。猫に対してやっている事は変えるためには時間をかける必要があるので、徐々に慣らしていってあげましょう。
食事回数を増やす
1回にあげる餌の量を減らして、食事の回数を増やすことで対応していきましょう。
猫に与える食事の回数は一般的には1日2回といわれていますが、食事の間隔が長いと一気に食べて吐き戻しをしたり、脂肪をため込んで肥満の原因につながります。
キャットフードの適正量を守りながら、1日に朝・昼・夜・寝る前の4回に分けることで、置き餌をしていた状況との変化が最小限に抑えられます。
食事時間を決める
1日に朝・昼・夜・寝る前の4回に分けるという1日の中の時間以外にも、一回の食事にかける時間を決めます。
まだ食べている途中に時間になったからといって強引に下げる必要はありませんが、ある程度食べて器から離れるなど「ちょこちょこ食い」をしているようなら、食べ残しがあっても時間を過ぎたら餌の器を下げましょう。
器を下げることで猫にご飯が食べられるタイミングを教えてあげて、次のご飯の時間までは食べられないと覚えてもらいましょう。
おやつを取り入れる
置き餌をやめてから問題行動が多くなったという場合には、おやつを取り入れて気を紛らわすという方法も!
いきなり餌がなくなってしまったら1回の食事でどれだけ食べればいいのか、猫だって困ってしまいます。訴えられる飼い主さんもストレスを感じてまた置き餌に逆戻りしてしまうかもしれません。
お互いにストレスを感じることなく、置き餌から抜け出すためにおやつを活用してください。
どうしても置き餌をしなくてはならない時は?
置き餌の理由は人それぞれでしょうが、家を空ける時間が長いために置き餌に頼ってしまったという部分もあるのではないでしょうか?
猫と一緒の生活の中で、どうしても置き餌をしなくてはならない時は少なからずあるものです。
置き餌にはドライフードを
衛生面や風味の問題などを考えて、置き餌にはドライフードにしてウェットフードは傷みやすいので避けましょう。
もともと乾燥しているドライフードにもデメリットはありますが、どうしてもという時にはふうみが落ちる時間が多少なりとも長いドライフードを選んでください。
出かける前に多めに餌をあげる
出かける前にあげる餌の量を多めにしてあげておきましょう。帰宅してから器に食べ残しがあるなら、いったん捨てて、1日分の残りを与えて量を調整します。
猫の1日分の適正量を守ることを優先しつつ、個体別に出かける前の適度な量を調整してあげる必要があります。
自動給餌器の導入を
時刻設定をしておくと毎日決まった時間に、決まった量を給餌してくれるので置き餌よりも安心です。
飼い主の都合に付き合わせなくていいので、一人暮らしの人や家に帰る時間が不規則な人は自動給餌器の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
スマホアプリを使ってちゃんとご飯を食べたかの確認ができます。カメラやマイクが内蔵されているので、スマホを通して声かけや撮影も可能!
4.3リットルの大容量フードタンクタイプで、タンクやトレイは衛生面を考えて丸洗いができます。
さいごに
食べては寝て、ちょっと遊んでは寝て、また食べてと、猫の生活スタイルを人間に置き換えてみると太る原因や病気になるのもうなずけるのではないでしょうか?
置き餌をするのは猫の健康にはデメリットだらけ。今これから始めても遅くはないので、ご飯を「おいしい!」と思って食べてもらうために置き餌をやめていきましょう。