猫と暮らしを共にしている家庭なら、猫に留守番させるといった光景は、さほど珍しいものではありませんよね。
短期間なら問題ないような留守番でも、時として、遠方への出張や、かねてから計画していた旅行で、長期間の留守番をさせなければならないこともあるかもしれません。
期間が長くなればなるほど、飼い主なら誰しも留守番に対して不安を抱きますし、ましてや、1週間の留守番ともなれば、猫だけに留守番させることは不可能ともいえます。
では、どうしても猫に長期間の留守番をさせなければならない状況では、一体、どのような対策を講じるのがベストなのでしょうか?
この記事では、1週間という期間を猫に留守番させても大丈夫なのか、長期間の旅行などで、飼い主が不在になる場合の対策方法や、気をつけたい注意点までご紹介します。
成猫から老猫まで、あらゆる猫たちと暮らしを共にしてきた筆者が、気になる長期間の留守番について、詳しく解説します。
もくじ
猫だけの留守番、1週間は大丈夫?
長期間の旅行などで自宅を留守にしたい時、猫だけで留守番することはできるのでしょうか?
結論として、猫だけを自宅に残したまま、1週間も留守番させることは不可能です。
どんなに万全な対策を講じたつもりでも、長い留守のあいだでは、愛猫の身に問題がいつ起こるとも分かりませんし、留守番させるとしても、1泊2日や、2泊3日までが限界でしょう。
1週間という長期間を、猫だけで留守番させてはいけない理由は、下記のとおりです。
- フードの問題
- 飲料水の問題
- トイレの問題
- 粗相をする問題も
フードの問題
1週間ものあいだ、猫だけに留守番させるとなると、帰宅するころには準備していたフードを食べ切ってしまっているといったことがあります。
猫の食事面を管理する飼い主が不在の場合、普段より多めのフードを準備していても、ついつい一気に食べ過ぎてしまうものです。
また、フードが足らなくなってしまえば、空腹感からフード以外の何かを口に入れてしまう可能性もあり、誤食や誤飲につながる危険があるため、注意が必要ですよ。
ねこ
飲料水の問題
1週間も猫だけに留守番させては、飲料水を飲み切ってしまったり、飲料水が汚れてしまい、飲まなくなってしまうといったことになります。
飲料水の入った容器を倒してしまう可能性も大いにありますし、普段より多めに飲料水を準備していたとしても、どんなトラブルが発生するか分かりません。
自動給水器を使用していても、予期せぬ停電や故障などで、自動給水器の電源がオフになってしまうことも考えると、油断は禁物です。
トイレの問題
清潔好きで有名な猫は、汚れたトイレを使用し続けることに抵抗を感じるので、1週間も掃除されていないトイレでは排泄をしなくなることがあります。
そうなると、トイレ以外の場所で粗相をする可能性も高いため、旅行から帰宅したら、部屋のいたるところに排泄されていた・・・といった大惨事を招くことも。
全自動トイレを準備するという選択肢もありますが、全自動トイレだから衛生面は安心!というわけでもありません。
全自動トイレは便利なグッズではありますが、万が一の故障などで、電源がオフになってしまうトラブルも発生しないとは限らないので、気をつけましょう。
粗相をする問題も
普段は粗相をしない猫でも、1週間も飼い主が不在になると、あらゆる面で粗相をしてしまう可能性があります。
トイレ以外での排泄をはじめ、部屋を荒らされていたり、ゴミ箱がひっくり返されていたり、家具が傷つけられたりといった、嫌がらせのような粗相をされてしまうことも。
もちろん、猫には嫌がらせしているつもりなんてないのですが、猫だけに長期間の留守番をさせていると、飼い主不在といういつもとは違う状況から不安になり、それが粗相に繋がることがあるのを頭に入れておきましょう。
以前、2頭の猫を飼育していたころ、3泊4日の留守番をさせたことがありましたが、帰宅したら、トイレのなかの猫砂が全て外に放り出されてしまっていました・・
yuki
やむを得ない1週間旅行の時の対策法3つ
3泊4日以上も自宅を空けるとなると、猫だけで留守番させることは不可能ですが、どうしても留守番してもらいたい場合もありますよね。
では、海外旅行や、やむを得ない事情で留守番させなければならない時、どんな対策を講じるべきなのでしょうか。
1週間もの長期間を、猫に安心して留守番してもらう対策法は、下記の3つです。
- ペットシッターを利用する
- ペットホテルを利用する
- 猫の扱いに慣れている家族(または知人)に任せる
ペットシッターを利用する
1週間も留守番させざるを得ない場合、猫のお世話を飼い主の代わりに依頼できるペットシッターというサービスを利用するのがおすすめです。
ペットシッターは自宅に来てくれるので、環境の変化を苦手とする猫のためにも、住み慣れた空間でお世話をしてもらえることができたら安心ですよね。
愛猫を任せられるペットシッターを選ぶことも大切なので、ペットシッターのブログをチェックしたり、トライアル期間を設け、愛猫との相性を判断してから、サービスを開始しましょう。
ペットシッターを利用する場合、1日あたりの平均価格は、約3,000円前後です。
ペットホテルを利用する
留守にする期間が長い場合、一時的にペットが宿泊できるペットホテルという施設を利用するのもいいでしょう。
近年、全国的に展開されているペットホテルは、ペットを預かることを専門としていますが、なかには、動物病院やトリミングサロンに併設されているペットホテルもあります。
動物病院なら、愛猫の体調不良にも対応してもらえますし、トリミングサロンなら、トリミングやマッサージのサービスを受けられるメリットもあるので、検討してみてくださいね。
ペットホテルを利用する場合、1泊あたりの平均価格は、約2,000円~5,000円前後と、サービスによって価格差があります。
私の知人の体験ですが、動物病院が併設しているペットホテルに猫を預けたところ、環境の変化に戸惑ってしまったのか、一晩中、大声で鳴き通したそうです。何日もその状態が続き、食欲も低下したため、ペットホテルから緊急の連絡が入り、知人は予定を繰り上げて、猫を迎えに行くこととなりました。ペットホテルは、環境の変化に弱い猫には、少し厳しいかもしれません。
yuki
猫の扱いに慣れている家族(または知人)に任せる
猫の扱いに慣れている家族か、あるいは知人がいる場合、留守のあいだのお世話を任せるのがおすすめです。
猫との相性も考えなくてはいけないですが、日頃から愛猫と馴染みのある方や猫のことをよく知っている方であれば、これがベストな選択といえるでしょう。
信頼のおける人に自宅に来てもらってお世話してもらうことができれば、猫にとっての負担も少ないですし、あなたも安心して不在にすることができますね。
ですが、猫の習性や性質を心得ていない人物だと、ふとした拍子に大切な愛猫を逃がされてしまう危険もあります。
私の友人の体験ですが、入院しているあいだの猫のお世話を知人に任せたところ、大きな音に驚いた猫が、外に逃げ出してしまったそうです。マイクロチップも装着していなかったので、猫はそのまま見つからず、帰ってくることもありませんでした。想像するだけで、ゾッとしますよね。
yuki
あとあとトラブルにならないように、必ず信頼のおける人物に任せましょう。
飼い主長期不在の猫への影響や注意点
飼い主が万全な対策を講じていたとしても、長期間の留守番をさせることで、猫にとっては、やはり何かしらの影響が懸念されます。
飼い主の長期間の不在による猫への影響や注意点は、下記のとおりです。
- 夏場の留守番
- 分離不安症によるストレス
- 飼い主の存在を忘れてしまうことも
夏場の留守番
自宅で留守番させる場合、短期間の留守番はもちろんですが、長期間の留守番となるとさらに、夏場は室内の温度が上がり過ぎることのないように、注意する必要があります。
猫が脱走してしまう恐れがあるため、部屋の窓やドアを開けっ放しにすることはやめ、常にエアコンを稼働させた状態のまま、室内を快適な温度に保ちましょう。
エアコンをつけっ放しにしておくことで、熱中症や脱水症の予防もできますよ。
分離不安症によるストレス
分離不安症とは、旅行などで飼い主が留守にする時、飼い主と離れることによって、極端なストレスや不安を感じた猫が、問題行動を起こしてしまう病気です。
- 大きな声で鳴き続ける
- 足元にまとわりついて離れようとしない
- わざと何かを落としたり、壊したり、傷つけたりする
- 自らの体を過度に舐めようとする
- 自らの体に噛みついたり、傷つけたりする
- 人間に対して攻撃的になる
- トイレ以外での粗相をする
- 不妊・去勢手術が済んでいるにもかかわらず、スプレー行為をする
- 食欲の低下や、食べてもすぐに吐き戻してしまう
飼い主への依存が強い犬にはよく見られる行動なのですが、独立心が旺盛といわれている猫にも、分離不安症の症状があらわれることがあります。
上記のような症状があらわれたら、猫の分離不安症を疑いましょう。
飼い主の存在を忘れてしまうことも
1週間や、1週間以上となる長期間の留守番をしてもらう場合、旅行から帰宅したら、猫が飼い主の存在を忘れていた・・・といったエピソードもあるそうです。
特に、出張や単身赴任など、何ヶ月という単位で自宅を離れなければならない時は、猫が飼い主を思い出すまでに時間がかかることも。
飼い主を思い出した猫が、キックやパンチなどを繰り出し、すねる姿を想像したら、ちょっぴり切なくもあり、微笑ましくもありますね。
やむを得ない事情で、なんと1年間も、愛猫と離れなければならないことがありました。そのあいだ、愛猫とは別々の場所で暮らしていたのですが、毎日のように電話で声を聞かせ合い(まるで恋人同士です)、預かっていただいているお宅から写真を送ってもらうことなどを繰り返し、1年後に迎えに行ったところ、忘れるどころか、それはそれは、喜びを全身で表現してくれたものです。涙の再会を果たしてからは、18年間の猫生を終えるまで、片時も離れることはありませんでした。
yuki
まとめ
1週間という期間を猫に留守番させても大丈夫なのか、また、長期間の旅行で、飼い主が不在になる場合の対策方法をお伝えしましたが、いかがでしたか?
1泊2日などの短期間ならまだしも、1週間の長期間ともなれば、猫だけに留守番なんてさせておけませんが、どうしても留守番してもらわなくてはいけないこともありますよね。
そんな場合は、猫だけを自宅に残しておくのではなく、お世話のプロであるペットシッターや、ペット専用の宿泊施設であるペットホテルといった、便利なサービスを活用しましょう。
飼い主のあなたも、愛猫も、どちらも安心できる留守番ライフを送れますように!