猫を飼っている人ならば猫キックを一度はやられたことがあるのでは?
後ろ足で「けりけり」するしぐさはとてもかわいいのですが、やられた方は痛くてたまりませんよね・・・。
後ろ足の爪も丁寧に切っておかないと、ひっかき傷ができてしまうこともあります。
筆者が飼っている猫は、突然スイッチが入ったように腕に飛びかかってきて、けりけりしてくるので油断できません^^;
けりけりしている顔は怒っているような感じもしますが、猫はどんな気持ちで猫キックをしているのでしょうか?
猫キックをする意味や理由がわかれば、やめさせるように対処もできるでしょう。
今回は、猫キックのメカニズムを解明していきたいと思います。
もくじ
かわいいけど痛い!猫キック(猫けりけり)とは?
飼い主さんの腕や足、おもちゃなどを前足で抱え込んでホールドし、後ろ足で連続して蹴りを繰り出すしぐさを「猫キック」や「猫けりけり」といいます。
猫は狩猟動物であるため後ろ足の筋肉が発達しており、瞬発力を活かして獲物を一気に捕まえたり、後ろ足でキックをして獲物にとどめを刺します。
猫キックは見ている分にはかわいいしぐさでも、獲物を完璧に仕留めるための一撃必殺の技なので、相当な破壊力を持っています。
なので、猫キックをされて痛いのは当然であり、素肌で相手をしていると後ろ足の爪で引っかかれてケガをしてしまいます。
猫キックとの合わせ技で噛みつかれることもあるので、噛み傷にも注意が必要です。
猫を飼っているとひっかき傷などの小さなケガをしても仕方がないと思う人もいるかもしれませんが、猫による傷から菌が入って感染症にかかる可能性もあるため、放置しないですぐに水で傷口をきれいに洗って消毒をしましょう。
なぜ猫キックするの?けりけりの意味は?
狩りの練習(じゃれ合い)
ケリスケ
猫キックをするのは飼い主さんの手や足などを獲物に見立てて、狩りの練習をしているのです。
上記の項で述べましたが猫は狩猟動物で、飼い猫になっても狩りをする野生の本能が残っています。
ペットになって狩りをする必要がなくなっても練習をするのは、けりけりするのは猫にとって生きるために必要なスキルだからなのかもしれません。
遊んでいるうちに突然猫キックを始める事がありますが、興奮してくると狩猟本能に火が付いて遊びが本気になるのでしょう。
多頭飼いをしている場合には猫同士が遊んでいる時に、猫キックが繰り出しているのを見る機会があるでしょう。
猫キックにはじゃれ合いの意味もあり、じゃれ合って遊びながら力加減などを学び、遊びが狩りの練習も兼ねていると考えられます。
構ってもらってうれしい
ケリスケ
遊んでほしい、構ってほしいのおねだりが叶って、テンションが上がった結果の猫キックなのでしょう。
ゴロンと寝転がってお腹を見せてなでてほしいのかと手を出すといきなり猫キックが始まった、なんてことありますよね?
筆者宅の猫もよくやるのですが、けりけりとかみかみの両方をされるのでひっかき傷が絶えません。
なでてほしそうにしているというのがそもそも思い込みなのかもしれませんが、猫は熱烈に「遊ぼう!」と誘っているようです。
猫キックはうれしい気持ちのあらわれでもあり、猫が喜んでくれるのは飼い主としても本望なのですが、猫はじゃれているつもりでも猫キックが痛いのに変わりはありませんので、ちょっと困ってしまうパターンですね。
嫌なところを触られてイライラしている
ケリスケ
嫌な所を触られると猫キックをして「触るな~!」と言っている場合があります。
人間でも不用意に触られたら嫌な気分になりますよね?
個体差はありますが猫には触ると嫌がる部分があり、嫌いな所を触られてイライラしているのを猫キックで表現しています。
嫌な場所だけではなく、気持ちがいいと感じるところでもあまりしつこく触っていると「もうやめて~!」と猫キックを繰り出して、飼い主を遠ざけようとします。
猫が触られるのを嫌がっていないか、様子をうかがいながらそろそろ嫌がるかな~という引き際がわかれば、猫キックを繰り出されることも少なくなるでしょう。
体力が有り余っている
ケリスケ
運動して体力を発散させるために、クッションやおもちゃなどをけりけりしていると考えられます。
室内飼いをしている猫にも運動が必要で、特に若くて元気な猫ややんちゃな性格の猫に見られる猫キックです。
遊びと運動をかねてけりけりと足を動かしているといえるでしょう。
活発な猫は1日に20~30分の運動が必要といわれていますので、クッションやおもちゃをけりけりしてボロボロにしないようにおもちゃを使って思いっきり遊んであげてください。
けりけりしないで・・猫キックをやめてほしい時は?
飼い主が痛い猫キックから逃れるための5つの対処法をご紹介します。
猫キックは痛いだけではなくケガしてしまう恐れもあるため、やめてほしい時もありますよね?
猫キックをしている最中の猫は興奮しているので、落ち着かせるような工夫が必要です。
無視してその場を離れる
猫キックをする理由は猫が持っている本能からきていので、無理やりやめさせると猫にもストレスになってしまいます。
人間が我慢して猫キックに付き合ってあげるのは危険なので、猫キックを始めたら無視してその場を離れて、けりけりしたら構ってもらえなくなるのを覚えさせましょう。
構ってほしい、遊んでほしい気持ちでけりけりしてきているのに、無視するのはかわいそうと思うかもしれませんがしつけと思って耐えてください。
大きな音で気をそらせる
猫は聴覚が発達しているので音がした方に興味を持ちます。
手を叩くなど大きな音をさせると上がっていたテンションも忘れて、けりけりどころではなくなってしまうでしょう。
気をそらせるためとはいえ大きな音で驚かせると猫から嫌われてしまう可能性があるので、やり過ぎないように注意してください。
顔に息を吹きかける
顔に息を吹きかけるのは、猫がイタズラした時などのしつけに使われる方法です。
ビックリして逃げ出してしまう猫が多くので、猫キックをやめさせるのにも有効といえるでしょう。
猫キックをされたらすぐに息を吹きかけて、けりけりをすると顔に息を吹きかけられると覚えさせましょう。
大きな音と同様に顔に息を吹きかけるのは猫が嫌がる行動なので、やり過ぎないように気をつけてください。
おもちゃを与える
遊んでいる時に徐々にエスカレートしてけりけりが始まった時には、けりけりの対象をおもちゃに向けて、猫の気をあなたの腕や足からそらしましょう。
けりけり専用おもちゃの「けりぐるみ」を好む猫ちゃんも多く、こちらを上手に利用するのもおすすめです。
前足で抱え込んでいる腕などを上手にけりぐるみとすり替えて、猫の気が済むまで猫キックをさせてあげるとストレス発散にもつながります。
おやつで気を引く
おやつなど猫が好きな食べ物を見せたり、匂いを嗅がせるなどして気を引くと、おやつが欲しくて猫キックをやめてくれるでしょう。
「猫キック=おやつ」と勘違いして覚えてしまわないように、おやつは猫キックを完全にやめてから与えるようにしてください。
まとめ
かわいいけど痛い猫キックの意味ややめさせる方法を紹介しましたが、いかがでしたか?
遊びの中から生きていく術を学んでいくのは人間と同じで、猫の行動にもちゃんと意味があることがわかりましたね。飼い主さんに構ってほしいためといわれると愛おしさも感じますが、かなり痛い愛情のあらわれでもあるので、お互いにスキンシップを楽しめるようにけりけりする前に遊んであげましょう。