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トリマーがおすすめする猫用ブラシの種類と選び方|短毛種・長毛種別に解説

猫用ブラシ

我が家のにゃんこの毛が抜けて抜けてキリがない!とお困りですか?

かわいい愛猫ちゃんのブラッシングは必要不可欠であり、一緒に暮らす上で避けては通れない道です。
中には抜け毛だけではなく、毛玉や毛のもつれにお悩みの飼い主様も多いのではないでしょうか?

世の中には猫用ブラシと言えど、ブラシの種類もたくさんありますし、一体どんな種類のブラシをどんな風に使えば良いのか分からない方も少なくないでしょう。

わたくしルナは元トリマー&動物看護師(現ペットシッター)で、これまでありとあらゆる種類のブラシを使ってきました。
そんな私が自信を持っておすすめできる、猫用ブラシの選び方や使い方をご紹介していきたいと思います^^

猫のブラッシングの必要性や役割とは?

猫のブラッシングは、毛が良く抜ける時期(換毛期)に行う必要があるのはもちろんですが、換毛期だけではなく普段からこまめなブラッシングが大事なことはご存知でしたか?

飼い猫の場合、年中快適な気温で過ごしており、一年中毛が抜けることも多いため、ブラッシングは日常的に行う必要があります。

もともと猫は綺麗好きな動物。
「自分で毛繕いしてるから人間がブラッシングしなくても大丈夫じゃないの?」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

飼い主さんがブラッシングしてあげることには、実は多くのメリットがあるんです。
一石二鳥どころか一石七鳥と言っても過言ではありませんよ^^

そんな大きな役割を担うブラッシングの必要性や効果を、一つずつ見ていきましょう。

毛球症の予防

毛球症とは、猫が毛づくろいの際に自分の毛を少しずつ食べてしまうことで起きる、さまざまな消化器症状を言います。

毛は体内で消化することができないため、通常は飲み込んだ毛は便に混ざって排出されます。

ただし、

  • 長毛種
  • 毛づくろいの頻度が多く、飲み込む毛が多い
  • 加齢などで上手く毛玉を吐き出せなくなった

など、胃の中で毛玉が大きくなる条件がそろってしまった場合は、限界量を超え、毛球症へと発展し重篤な症状を発症することがあります。

毛球症の主な症状

  • 食欲不振
  • 度重なる嘔吐
  • 腸閉塞
  • 腹膜炎

毛球症を予防する方法の一つとして、こまめに猫の身体から抜け毛を除去することです。
猫自身が毛づくろいの際に飲み込む毛の量をあらかじめ減らすことで、毛が胃の中に溜まりにくくなります。

時々(週に1〜2回)程度の嘔吐であれば問題はないことが多いですが、毛玉を吐き出せても、猫自身も吐き出す時はしんどい思いをしますし、その様子を見る私たち飼い主もいたたまれない気持ちになりますよね。

無理をしない程度に日常的なブラッシングを心がけ、毛球症にならないように予防していきましょう。

抜け毛(死毛)の除去

上にも述べたように、猫の身体から抜け毛を除去することは、猫が毛球症にかかるリスクを減らすことができます。
それだけではなく、猫の健康面において、抜け毛を取り除くことで得られる大きなメリットがさらにあるのです。

季節によって生える毛(夏毛・冬毛)は役目を終えると一気に抜け落ちますが、この抜け毛のことを「死毛(しもう・しにげ)」と呼ぶこともあります。

ちなみに、この一気に毛が抜け落ちる時期を換毛期と言います。

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文字通りですね。つまり「もう必要のない毛」なんです。

この死毛はワンシーズン頑張った古い毛であり、チリやホコリも含んでいて綺麗なものではありません。
これらを取り除くだけで、次に生えてきている新しい毛が表面に出て来ます。

そうすると、なんと、シャンプーしたわけではないのに、猫の身体がツヤツヤとして綺麗に見えてくるんですよ^^

見た目が綺麗になるだけでなく、古い毛を取り除くと通気性も良くなって皮膚の健康を保つことにも繋がります。
どんどんと暖かくなる春から初夏にかけては、体感温度も変わってくるでしょう。

その他にも、まめにブラッシングすると、洋服やソファ、絨毯などに付く毛を圧倒的に減らすことができるというのも大きなメリットですね!

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毛のもつれ(毛玉)の防止・除去

毛のもつれや毛玉防止対策は、主に長毛種の猫にとって重要です。

毛玉は猫の皮膚にとって天敵のようなもの。

毛玉ができたところは、毛玉が皮膚を覆ってしまい、通気性が悪くなります。
そうすると、皮脂をエサとする細菌が繁殖しやすくなり、皮膚上の細菌バランスが崩れ、皮膚病を引き起こすこともあります。

私はこれまで何頭も、毛玉ができていたところの皮膚が赤く炎症を起こしているのを見てきました。

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例えば、人間の髪に置き換えて考えてみましょう。

もし、ロングヘアーの女性が、毎日毎日髪を梳かさずに過ごしていたら・・・。
特に、枕と摩擦のある後頭部はもつれだらけになるでしょう。

そうならないように、シャンプーの後はドライヤーで乾かしたり、毎日こまめにクシで梳かしたりしますよね?

猫も同じです。

抜け毛の量も人間とは圧倒的に違うので、こまめに梳かさないと毛玉ができやすくなります。
特に、摩擦で毛玉になりやすい脇や内股、耳やお腹は要注意です。

シャンプーの前に毛玉は取り除き、ドライヤーで乾かすときにも乾かし残しが無いようにしましょう。
難しい時は遠慮せずにプロに依頼してくださいね^^

皮膚の健康維持・マッサージ効果

ブラッシングをすることで、マッサージ効果を得られることができます。
ポイントは毛の流れに沿って梳かしてあげることです。

短毛種の猫の場合は、ラバーブラシコーム(くし)、長毛種の猫は、スクラッチャーコーム(くし)がおすすめ!

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このような道具を使って皮膚に程よい刺激を与えることで血行が良くなり、皮膚の新陳代謝が促されます。
そうすると皮膚の健康維持や促進につながり、毛ヅヤのある良い被毛が生えてきます^^

優しくブラッシングして、猫ちゃんをうっとりさせちゃいまいしょう♪

コミュニケーションの一種

猫をブラッシングで気持ち良くさせることで、お互いの絆もグッと強くなるはず^^

飼い主さんの愛を感じられる猫が幸せじゃないはずがありません。
ブラッシング時に、ゴロゴロと喉を鳴らしながら身を預けてくれるようになったら大成功です^^

猫とのコミュニケーションが不足すると、ストレスからさまざま問題行動に繋がっていくことが懸念されます。

抜け毛や毛玉を取り除くことだけに集中するだけではなく、猫の反応もよく見ながらブラッシングしてあげてくださいね^^

皮膚病や怪我の発見

ブラッシングする時は、いつも傍から見る猫の身体を、より近くで観察できるチャンスです。

皮膚病や怪我の早期発見のためにも、ブラッシングしながら下記のポイントを意識してチェックし、猫に異変がないかを見るようにしましょう。

ブラッシング時のチェックポイント

  • フケは出ていないか
  • イボなどの出来物はできていないか
  • 腫瘍(特に避妊手術していない猫の乳房に注意)ができていないか
  • 皮膚が赤くなって炎症を起こしていないか
  • 顔などに傷ができていないか(じゃれあったり喧嘩したりするような同居猫がいるなら特に)

日常的にブラッシングすることで小さな異変に気づきやすくなることもメリット。
異常があればなるべく早く獣医さんに相談するようにしましょう。

ちなみに、イボなどの小さな出来物はブラシやコームにひっかかってしまい、高確率で傷つけてしまいます。
皮膚の状態を注意深く見てから、ブラッシングするようにしてくださいね。

ストレス解消効果

ブラッシングを施すことで、猫のストレスを解消する効果があります。

猫がストレス解消できる行動のひとつに『毛繕い』があります。
毛繕いをすることによって「心地よさ」を感じることができるからです。

「アログルーミング」という言葉をご存知ですか?
これは仲の良い、信頼し合っている猫同士でしかしない毛づくろいのことです。

アログルーミングをされている時、猫は身体的に気持ち良いのはもちろん、信頼されている仲間からのグルーミングは精神的にも安心できて「幸せな気持ち」になっていると考えられます。

アログルーミングは信頼関係のある飼い主さんにもしてくれるので、ペロペロと毛づくろいしてくれた時はこちらもそれに“優しいブラッシングで”目一杯応えてあげましょう^^

愛猫と触れ合っている私たち飼い主も、アニマルセラピーの効果でストレス解消に繋がりますよ♪

アローグルーミング効果の人気グッズはこれ!

猫用ブラシ選び方のポイント

さまざまな種類のブラシが、今の世の中には山のように溢れています。

その中から良い道具を選ぶのは少し難しいかもしれませんね。

それぞれの猫に合った道具というものがあります。
その選び方のポイントについて解説していきますね。

信頼できるメーカーのものを使う

ブラシを探している時、インターネット通販を見ていると特にですが、海外製のよくわからないメーカーのものがたくさん溢れています。

その中にはとてもお手頃な価格のものもたくさんありますよね。

ですが、やはり中には粗悪品も混ざっています。

道具は一度買うと何度も日常的に使うもの。
思うように毛が取れなかったり、すぐに壊れてしまったり、使い心地が悪く、猫がブラッシングを嫌うようになってしまっては本末転倒です。

「そういえば長年名前を知っているなぁ」と感じる有名なメーカーであれば、企業努力されている証拠。
時代を経て進化した良い道具を扱っていることが多いです。

道具選びに迷ったなら、まずは印象の良いメーカーのものを選ぶと良いでしょう。

猫用のものを選ぶ

ブラッシング道具の中には、同じように見えても「犬用」と「猫用」に分けられているものがあります。

例えばかの有名な道具『ファーミネーター』。
こちらは猫用、犬用に分かれており、さらに短毛種用と長毛種用に分かれています。
もっと言うと大きさもSとLの2種類あるので、猫だけで4種類のファーミネーターがあります。

「どれも一緒じゃないの?」と思われるかもしれませんが、猫用のものは、犬よりも毛の細い猫のために、刃の間隔が狭くて、少し刃先も細くなっています。
ですので、刃の間隔も大きい犬用を猫に使うと毛が逃げてしまい、思ったような効果が得られないことがあります。

また、犬よりも猫は皮膚が柔らかく弱いので、犬用のブラシを使うと皮膚を傷める可能性もあります。

犬用、猫用、と分かれているものについては、必ず猫用を使うようにしてくださいね。

用途に合わせて選ぶ(短毛種・長毛種)

猫は、毛の長さが違う短毛種長毛種の二種類にざっくりと分けられます。

実は、猫用ブラシには、短毛種・長毛種それぞれに適したブラシタイプがあります。

短毛種・長毛種共通ブラシ

短毛種・長毛種両方にブラッシングで使えるタイプ。

  • スリッカーブラシ
  • コーム
  • 獣毛ブラシ

短毛種のみ

  • ラバーブラシ
  • スクラッチャー(トリミングナイフ変形型)の短毛種用

長毛種のみ

  • スクラッチャー(熊手型)
  • ピンブラシ
  • スクラッチャー(トリミングナイフ変形型)の長毛種用

このように愛猫の毛の長さによって使う道具は違います。
これを間違うと全然毛が取れなかったり、毛を引っ張ってしまうなどして嫌われてしまうかもしれないので、注意して購入しましょう。

大きさは小さめのものが使いやすい

大は小を兼ねる・・・?いいえ、違います。大は小を兼ねずに持て余します!

使い勝手も大きく異なり、大きいものはその分重たいので疲れやすい反面、小さいと軽くて使いやすく疲れにくいです。

基本的にブラッシングはたくさん手を動かす&細かい作業です。

頭からしっぽにかけて一気に梳かすのは、仕上げのコームやピンブラシを使うときのみ。
抜け毛や毛玉でひっかかりやすい猫の毛は、少しずつ梳かしていくのがブラッシングの基本です。

猫の身体は曲線でできていますし、脇や内股などの梳かしにくい場所は、小さな道具でピンポイントに狙って梳かすのが正解。

特にスリッカーブラシは使う頻度が高いので、小さいものをおすすめします。
同じ道具でも、大きいものと小さいもので使い比べてみると、圧倒的な使いやすさの違いに驚くことと思います。

商品の口コミもチェック

インターネット通販で購入するときには、その商品への口コミが投稿されていることがあります。

  • うちの猫が気持ちよさそうにしていたor嫌がった
  • すぐ壊れた
  • あまり毛が取れないor取れた

など、使い心地について書かれているのをあなたも目にしたことがあるかもしれません。

あまり良い口コミがない商品の購入はできるだけ避けましょう。

また、猫の性格や年齢、毛の長さによって使い心地が違うこともあるので、「どんな猫ちゃんに使って、どんな使い心地だったのか?」という視点でも口コミを読んでみてください。

口コミが少ない商品もあり、なかなか情報が得られないこともありますが、口コミがあれば積極的に読んでみてくださいね。

猫用ブラシの種類

猫用ブラシには、さまざまな種類(タイプ)がありますが、猫の毛の長さなどにより、使い方も使う道具も異なります。

主な猫用ブラシのタイプはこの8種類!

  • スリッカーブラシ
  • ラバーブラシ
  • グローブ型ブラシ
  • スクラッチャー(熊手型)
  • スクラッチャー(トリミングナイフ変形型)
  • コーム(くし)
  • 獣毛ブラシ
  • ピンブラシ

    ここでは、それぞれの道具の特徴や使い方などを詳しく見ていきましょう。

    スリッカーブラシ

    猫用ブラシ,スリッカーブラシ

    スリッカーブラシは、くの字に曲がった細い針金のようなピンが並んだブラシです。
    長毛種、短毛種、両方に使えますが、主に長毛種の猫に使います。

    スリッカーブラシは主に「絡まった毛をときほぐす」という用途で使いますので、長毛種の猫の普段のブラッシングにはスリッカーブラシは必須です。

    あまり毛は取れないので、短毛種の猫に普段のブラッシングに使うには向いていません。

    短毛種の猫が使う場面は、シャンプー後にドライヤーで毛を乾かす時です。(もちろん長毛種の猫も使います。)
    風で流れる毛の方向に沿って梳かしてあげることで空気が入り、乾きやすくなるからです。
    ただ、短毛種の猫に使うには、扱いに慣れないと皮膚を傷つけるおそれがあるので、上級者向けの道具ではあります。

    スリッカーブラシの正しい使い方は、ザーッと毛の流れにそって梳かすのではなく、ポンポンと叩くイメージで使います。

    一気に梳こうとすると、毛が絡まっているところでひっかかり、同時に皮膚まで引っ張ってしまう恐れも。
    そうすると猫は痛い思いをしてしまい、ブラッシング嫌いの原因になってしまいます。

    毛玉や絡まりを見つけたら、皮膚を引っ張らないように根元を押さえながら少しずつ梳きほぐすようにするのがポイント。
    また、ピンの先が細いので、直接皮膚に刺激を与えないよう、当たっても痛くない強さでポンポンと叩くように使うのがいいですね。

    まずは、自分の手の甲で試してみると力加減が分かるかと思います。
    それでも不安な場合は、ピンの先が丸く加工されているブラシを使うのもおすすめですが、静電気が発生しやすいので、濡れたタオルで猫の身体を軽く拭いてから使うと良いでしょう。

    ラバーブラシ

    猫用ブラシ,ラバーブラシ

     

    短毛種の猫の日常ブラッシングには必須のブラシです。

    名前はラバーとついていますが、ほぼシリコン製で、とても柔らかいブラシです。
    一気にザーッと梳かすのではなく、少しずつ梳かしていくとよく死毛が取れます。

    いろんな形状がありますが、三角形の山型のピンが並んでいるものが多いですね。
    毛を取るだけでなく、マッサージ効果も期待できます。

    人間用のシャンプーブラシと形も効果もよく似ていますね^^

    そう、これは猫のシャンプー時に使っても良いんです。
    ブラシも汚れない(むしろ綺麗になる)し、毛も舞い上がらず掃除も楽、そしてマッサージ効果も期待できるという優れものです。

    ちなみに長毛種の猫は毛を梳かした時に摩擦で引っかかることもあり、あまり毛が取れない上に痛い思いをしてしまうのであまり使えません。
    絶対に避けた方が良いこともないですが、他のタイプを使った方が効率が良いです。

    グローブ型ブラシ

    先ほどのラバーブラシを、手にはめて使うグローブ型に変形させたものになります。

    使い方や、マッサージ効果が期待できることなどは先ほどのラバーブラシと同じですが、これはあまりブラッシングに慣れていない子や、ブラッシング嫌いで嚙みつきがちな子におすすめです。

    このブラシの利点は、万が一噛まれてもあまり痛くないところ。
    とはいえ、無理強いはNGですが^^

    道具が苦手な子でも、これならブラッシングさせてくれた!という定評もあるブラシです。

    ただ、手の小さな女性は使いにくい場合も。
    指の部分にもピンがあるので、指先で顔周りなどの細かい部分も優しくブラッシングできるのがこのタイプの便利なところなのですが、手の小さな人にとっては、指先まで手が届かず逆にコントロールが難しい・・・という悲劇もあるようです。

    小学生並の手の小ささである私はとても使いにくかったです(泣)

    runa

    ラバーブラシに比べて摩擦が少ないので長毛種の猫にも使えますが、毛玉があると引っかかってしまうので取り除いてから使うようにしてくださいね。

    スクラッチャー(熊手型)

    スクラッチャーという道具の名前に聞き慣れない方は多いかと思います。

    スクラッチャーとは、直訳すると「引っかくもの」という意味で、その名の通り、死毛を引っかき出すことのできる道具です。
    形は熊手のような形状です。

    毛量の多い長毛の猫、特に北国生まれのノルウェージャン・フォレストキャットなどの特に抜け毛が多いとされている猫におすすめです。

    もつれの少ない背中などを中心に、毛の根本からブラシをいれ、毛玉に引っかからないよう優しく少しずつ梳かすのがコツです。

    「いつもはコームでやってる・・・」という方は、抜け毛のピーク時にぜひ使ってみてください。
    おもしろいように取れますよ^^

    スクラッチャー(トリミングナイフ変形型)

    猫用ブラシ,ファーミネーター

    先ほどと同じスクラッチャーという名前の道具ですが、こちらはあの有名な『ファーミネーター』と言うと分かりやすいでしょうか。

    トリマーさんが犬のテリア種のアンダーコート(下毛)を抜くときに使用する、トリミングナイフの構造を応用したブラシになります。

    ナイフという名の道具が元になっているだけあって、ブラシ部分(刃先)はギザギザとしていてとても固いものになっています。

    軽い力で面白いように毛が取れるので、思わずどんどん使いたくもなってしまうのですが、皮膚を傷付けることもあるのでほどほどにしておきましょう。

    コーム(くし)

    猫用ブラシ,コーム(くし)

    コーム、いわゆる「くし」は、主に長毛種の猫に使います。
    毛を梳かして死毛を取るのはもちろんのこと、毛の流れにそって梳かすことで毛玉の有無の確認にも使うことができます。

    また、私たちトリマーはスリッカーブラシについた毛をピンの流れに沿ってとかし、取り除くときにも使います。
    ほぼ綺麗にとれますよ^^

    目の粗い部分と細かい部分に分かれており、死毛が多い時には荒い方、ブラッシングの仕上げには細かい方を使う、というような使い分けもできます。

    獣毛ブラシ

    猫用ブラシ,獣毛ブラシ

    獣毛ブラシはブラッシングの仕上げの際に使います。

    猫用ブラシについて紹介しているサイトの中には「獣毛ブラシは無駄毛が全然取れない!」などと酷評しているページも見かけますが、そもそも死毛を取ることを目的としていないブラシなので、毛が取れないのは至極当然です。

    獣毛ブラシの効果は被毛の艶出しです。

    短毛種、長毛種両方に使え、身体の表面についたチリやホコリも取り除けるので、日々のお手入れにも最適です。

    ただし、素材は豚毛などの天然素材を使用しているものを選びましょう。
    ナイロン製などのものを選んでしまうと静電気が発生し、ブラッシングを嫌がるようになってしまうので注意してください。

    ピンブラシ

    猫用ブラシ,ピンブラシ

    人間のブラシにもあるような形状で、ピンの長さが長く、主に長毛種の猫に使います。
    短毛種の猫にも使いますが、どちらかというとマッサージの目的で使います。
    人間でいうヘッドスパワイヤーのような役割ですね^^

    「死毛を取り除く」という役目はあまりなく、死毛があまり溜まっていない普段のブラッシングで使います。

    死毛が溜まっている状態で梳かすと毛が引っかかり、上手く梳かすことができません。

    runa

    死毛を取ったあとの仕上げに使うと、毛並みをキレイに整えることができます。

    また、小さな毛玉であれば取り除くことができます。
    スリッカーブラシほど毛玉を取り除く能力はありませんが、あたりが優しいので被毛を傷つけにくく、毛玉の防止に普段のブラッシングで使いたい道具です。

    トリマーがおすすめする猫用ブラシはこれ!

    いろいろなタイプのブラシについて解説してきましたが、ここで種類別におすすめの猫用ブラシを紹介していきます。

    それぞれのおすすめポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

    短毛種・長毛種共通おすすめ猫用ブラシ

    長毛種、短毛種共に使える、または同じブラシでも、長毛種用と短毛種用に分けられているブラシです。
    使いやすいブラシが多いのも特徴です。

    トゥルータッチ

    • ブラシタイプ :グローブ型
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★★
    • マッサージ効果:★★★★☆
    • 重さ     :約75g

    グローブ型ブラシの元祖と言えばこのトゥルータッチです。

    これを手にはめて身体を撫でるだけで、死毛がどんどん抜けていきます。
    撫でるだけなので、コミュニケーションの一部として取り入れやすいかと思います。

    抜けた死毛がブラシにたまり、ぺろーんと一気にはがす時は快感・・・!
    ぜひおためしあれ^^

    グルーミンググローブ

    • ブラシタイプ :グローブ型
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★★
    • マッサージ効果:★★★★☆
    • 重さ     :約75g

    先ほどのトゥルータッチの廉価版です。
    トゥルータッチはちょっとお高いし、グローブ型ブラシをとりあえず試しで使ってみたいなーという方にはおすすめです。

    ピンの硬さも、数多い類似品の中では柔らかいと評判ですので、皮膚の薄い猫にも優しいブラシです。

    ペットアンドミー ラバーブラシ


    短毛種の猫用(ブルー)

    長毛種の猫用(グリーン)

    • ブラシタイプ :ラバーブラシ
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★★★
    • 重さ     :96g(短毛種用)/ 99g(長毛種用)

    スイス製のラバーブラシで、獣医師も推奨するという高性能のラバーブラシです。

    このブラシは『ソフト』『ハード』『短毛種用』『長毛種用』と4種類に細かく分けられていますが、猫用であればソフトタイプを選びましょう。

    pet+me ラバーブラシのラインナップ

    • RED:ハード長毛用
    • YELLOW:ハード短毛用
    • GREEN:ソフト長毛用 ⇒長毛種の猫用はこちら
    • BLUE:ソフト短毛用  ⇒短毛種の猫用はこちら

    ラバーブラシは基本的に長毛種には向かないタイプですが、このペットアンドミーのラバーブラシに限っては、ピンの間隔が広く、形も特殊構造になっており、摩擦が起きにくい設計になっているので、長毛種用でも使用することができるのです!

    しかもラバーブラシには珍しい構造で、裏表使えるようになっており、

    • 表(突起の部分)→被毛の除去&マッサージ効果
    • 裏(平らな部分)→ちょっとした表面のホコリ取り&ブラッシングの仕上げ用

    として使用することができます。

    毛がよく取れるのはもちろん、マッサージ効果も高く、猫ちゃんもうっとり。
    被毛の除去だけではなく、服やじゅうたんについた毛も(裏を使って)取ることができる優れものです。

    ブラシについた毛がグルーミンググローブのようにぺろーんとは取れにくいのが欠点ですが、水洗いすれば綺麗になります。

    ファーミネーター 小型猫Sサイズ 短毛種用/長毛種用

    • ブラシタイプ :スクラッチャー(トリミングナイフ型)
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種(~4.5kgくらいまで)
    • 扱いやすさ  :★★★☆☆
    • マッサージ効果:★★☆☆☆
    • 重さ     :130g

    ファーミネーターは、今やブラッシングの大定番と言って良いほどの商品ですね。
    軽い力でスーッと梳かすだけで、びっくりするほどの死毛が取れます。

    短時間でたくさんの毛が抜けるので、猫の負担にもなりにくいブラシです。

    ただ、刃の部分が硬いので、背骨など骨の位置が皮膚の上からわかるくらいの部分をブラッシングする際は、皮膚を傷つけてしまいやすいので注意が必要です。

    個人的にはこれ1本だけでブラッシングを終わらせるものではないと思います。

    runa

    長毛種ならスリッカーブラシやコーム、短毛種ならラバーブラシなどとうまく併用すると、ブラッシングの時間が短縮でき、とても効率が良くなるブラシになりますよ。

    フーリー/フーリーイージー


    フーリー

    フーリーイージー

    • ブラシタイプ :スクラッチャー(トリミングナイフ型)
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種(5kgくらいまで)
    • 扱いやすさ  :★★★☆☆
    • マッサージ効果:★★☆☆☆
    • 重さ     :160g、イージーは90g

    先ほどのファーミネーターに並ぶ高性能のスクラッチャーです。

    ファーミネーターと性能的にはほぼ変わらないのですが、違いはと言えば豊富なカラーバリエーション、そして刃先がプラスチック製の商品がある、という点でしょう。

    プラスチック製のものはフーリーイージーという商品名で、こちらの商品は刃がステンレス製の通常版よりも皮膚や被毛を傷付けにくいのが特徴です。

    お値段も通常版よりもお手頃になっていますので、まずはイージーの方から購入してみるのも良いと思います。

    抜け毛トルン

    • ブラシタイプ :スクラッチャー(トリミングナイフ型)
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★☆☆☆
    • マッサージ効果:★★☆☆☆
    • 重さ     :約150g

    こちらの商品は上記2商品の廉価版です。

    機能的には問題はありませんのが、やや壊れやすいこともあるようです。

    ファーミネーターを使ってみたいが値段が高くて手を出しづらいという方や、このような形のブラシを安い値段で試してみたい!という方にはおすすめです。

    岡野製作所 高級豚毛ブラシSサイズ

    • ブラシタイプ :獣毛ブラシ
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :100g

    スリッカーブラシ、コームに続き、岡野製作所さんの獣毛ブラシも優秀です。

    少し固めの毛の豚毛が、適度なマッサージ効果を生みながら被毛にツヤを出してくれます。

    落下防止にバンドがついているのも使いやすく◎。

    ドリーム産業 獣毛ブラシ

    • ブラシタイプ :獣毛ブラシ
    • 被毛の長さ  :短毛種・長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :約50g

    スリッカーブラシ、スクラッチャー(熊手型)に続き、こちらも安心の国産メーカー、ドリーム産業さんの獣毛ブラシです。

    こちらも豚毛でできていますが、岡野製作所さんとの違いは形です。
    持ち手があるので、持ちやすく、優しく扱うことができます。

    二つとも機能的には同じなので、自分が使いやすそうな形を選んでみてください^^

    短毛種におすすめの猫用ブラシ(短毛種専用)

    短毛種に特化したブラシです。
    長毛種の猫には向かないので気を付けてくださいね。

    ペティオ ダブルラバーブラシ

    • ブラシタイプ :ラバーブラシ
    • 被毛の長さ  :短毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★★☆
    • 重さ     :約50g

    先ほどのペットアンドミーのラバーブラシの廉価版のようなものです。

    こちらは長毛種用はありませんが、両面を用途に合わせて使えるタイプで、安心の国産品。
    もちろん、シャンプー中にも使えます。

    普段撫でてあげているような感覚で使えて、マッサージ効果も期待できるラバーブラシです。

     

    長毛種におすすめの猫用ブラシ(長毛種専用)

    長毛種の猫には必須のブラシばかりなので要チェックです。

    岡野製作所 ONS スリッカーブラシ ソフトタイプ小

    • ブラシタイプ :スリッカーブラシ
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★☆☆☆
    • マッサージ効果:★★☆☆☆
    • 重さ     :48g

    スリッカーブラシと言えばこれ!と言って良いほどオーソドックスなスリッカーブラシ。
    これは私も10年以上このメーカーのスリッカーブラシを使っているほどで、もう手放せません。

    大きさは大と小の二種類ありますが、わきの下や内股など、ブラシをかけづらいところにも使いやすい『小』がおすすめです。

    また、ピンの硬さも柔らかいソフトと硬いハードの二種類ありますが、普段使いにはソフトがおすすめです。

    ハードは毛玉をほぐしやすいという利点がありますが、使い慣れないうちは皮膚も傷つける可能性が高くなるので、あまりおすすめしません。

    ドリーム産業 Deep Stab スリッカーレギュラー(S)

     

    • ブラシタイプ :スリッカーブラシ
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★☆☆☆
    • マッサージ効果:★★☆☆☆
    • 重さ     :約50g

    こちらのスリッカーは安心安全の国内メーカーのドリーム産業さん。
    ブラシ以外にもさまざまなペット用品を扱っており、いつもお世話になっております^^

    先ほどの岡野製作所さんのスリッカーよりも持ち手がやや長く、持ちやすくなっています。

    岡野製作所 高級両目金櫛

    • ブラシタイプ :コーム(くし)
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :約50g

    最初に紹介した王道のスリッカーブラシと同じメーカーの岡野製作所のコームです。
    作りがとても丈夫で、重さもありしっかりとしています。

    毛玉があればコームの重さだけで引っかかるので、軽い力で梳かすだけでもつれの有無を簡単に発見できます。

    逆に言うと、それなりの力を入れて梳かすと、もつれに引っかかったときにかなり皮膚が引っ張られてしまい、痛い思いをさせてしまう可能性があるので、注意が必要です。

    私がトリマーの卵だった時から長年の相棒だったコームです。とても丈夫で壊れたことはありません^^

    runa

    マイスター ステンレス極細両目金櫛

    • ブラシタイプ :コーム(くし)
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★★
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :30g

    こちらも先ほどの岡野製作所さんと形はよく似ていますが、重さが段違いに軽いコームになります。

    使っていても疲れにくい上、毛の根本にまでピンが入りやすく、少しの力で梳いてももつれの引っかかりがすぐに分かります。

    以前ベテランのトリマーさんに「このコームを使ってこそ一流のトリマー」と言われ即買いしたコームなのですが、使ってみると納得の使いやすさで感動したことを覚えています。

    少しお高いですが、使ってみてこのコームの凄さが分かる部分もあるので、ぜひとも使っていただきたいコームです。

    ドリーム産業 スクラッチャー21

    • ブラシタイプ :スクラッチャー(熊手型)
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :95g

    安心のドリーム産業さんから出ている熊手型のスクラッチャーです。

    プロ仕様なので作りもしっかりとしていて、熊手型スクラッチャーの効果や良さが伝わる商品だと思います。
    その割に値段も親切価格で、『とりあえずスクラッチャー使ってみたいな~』という方にもおすすめです。

    ファーミネーター レーキ

    • ブラシタイプ :スクラッチャー(熊手型)
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★☆☆
    • 重さ     :124g

    ファーミネーターというと”あの形”を思い浮かべる方も多いかと思いますが、これは熊手型です。

    ピンの間隔が狭いので、少しの死毛のつまりで毛が引っかかりやすいのでは?と思いきや、ピンの1本1本が360°回転するようになっていて、毛のつまりによる抵抗力を弱めてくれるおかげでスムーズに梳かすことができます。

    とはいえ、梳かしてすぐ詰まるようなら少しずつほぐすように梳かす必要がありますが、初心者でも使いやすい道具といえるでしょう。

    お値段もそこまで高くないので、長毛種で毛の多い猫ちゃんはぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか。

    プレシャンテ ピンブラシ

    • ブラシタイプ :ピンブラシ
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★★☆
    • 重さ     :約50g

    こちらのピンブラシはピンの先が丸く加工されているので、直接肌に当たっても傷付けにくいので安心です。

    しかもお値段もお手頃です^^

    長毛種の猫ちゃんがいるお家に、1本は持っておいて損はないでしょう。

    東京ペット商事 ピンブラシ レギュラーピンタイプ

    • ブラシタイプ :ピンブラシ
    • 被毛の長さ  :長毛種
    • 扱いやすさ  :★★★★☆
    • マッサージ効果:★★★★☆
    • 重さ     :約50g

    こちらのピンブラシはドイツ製です。
    私の経験上ですが、ドイツ製の商品は耐久性が高く長持ちするものが多いです。

    ピンの土台はクッション性にすぐれた天然ゴムで、ブラッシング時の衝撃を吸収します。
    強くピンを押すと沈むので、力の入れすぎも予防できるところもおすすめです。

    サイズは3種類ありますが、猫用は一番小さいサイズを選ぶようにしましょう。(タイプ202、全長190mmのもの)

    上述でも解説しましたが、道具は小さいものが基本的におすすめです。
    これまでいろいろなブラシを使ってきて思うことは、概してサイズが大きいと使いづらいです。

    大型犬だけが大きい道具を使うと考えておいても良いでしょう。

    まとめ

    猫用ブラシの種類と選び方、トリマーおすすめのブラシも紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
    あなたの愛猫の喜ぶ道具選びに一役買えたら嬉しい限りです。

    そして「ブラッシング」と一口に言っても、効果やブラシの種類も様々なものがあることがお分かりいただけたでしょうか。

    ブラッシングをマスターすることは、猫の健康を維持したり、絆をより深めてくれることに繋がります。
    ぜひあなたとあなたの猫ちゃんにあった道具で、ブラッシングマスターを目指してくださいね^^

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