飼い猫がドアの前で「お外に出してー!」と鳴くことってありますよね。
私の猫は子猫の頃、一時期外猫として暮らしていたことがあったので、室内猫になってからも、時々「お外へ出たい」と言っていることがあります。
ですが、もともと室内猫で飼っていて、外猫になったことがない猫ちゃんも、なぜか外に出たがることがあるようです。
一体なぜ猫は外に出たがるのでしょうか?
どんなストレスがかかっているのかも気になりますね。
完全室内飼いをしている猫が外に出たがる時の理由や、「出たい!」と要求された時の対処法についてお届けします。
本当に猫を外に出すことが、猫にとって良いことなのかも考えてみましょう。
もくじ
猫が外に出たがる理由
気分転換がしたい
人間もそうですが、猫も部屋の中にずっといると息が詰まってしまいます。
私たちも、ずっと部屋の中でパソコン作業をしていたらだんたん詰まってきて気分がクサクサしてきますよね。
それと同じです。
猫も気分を変えるために体を動かしたいのです。
猫は臆病なため、外が危険だと認識している場合は、気分より安全が優先され、ただ気分転換のためにわざわざ外に出ることはないです。
あくまでも外が安全で自分の縄張りだと認識している場合に、室内とは違った環境で気分転換がしたいのです。
また、猫は、太陽の光を浴びて自分の体を清潔に保ったり、体がビタミンDを吸収しやすくしているので、よく晴れた日に外に出たがるのは日光の光を浴びたいからという場合もあります。
縄張りチェックしたい時
猫はとても縄張り意識の強い動物。
たとえ、私たち人間からみて「家の外」でも、猫からすればそこは「自分の家の一部」となっている可能性があります。
猫にとって少しでも自分が行って「安全だ」と認識したところはもはや自分のテリトリー^^;
そして、広がった縄張りを維持しようと外に出たがるようになるんです。
外が危険な場所だと分かっていれば出たがることもありませんが、もしあなたが猫ちゃんを抱っこして外に出ただけも、そこは猫にとって安心できる場所となり、しっかりマイテリトリーと化するのです。
猫にとってはそこは自分の家同然なので、よその猫ちゃんに縄張りが侵されていないか確認しに行きたがる、というわけです。
また、そんな場所に他の猫の姿を見つけたら、さあ大変!
「ワァァー!」と大きな声で鳴いて、縄張りから追い出すために必死に外に出ようとするでしょう。
鳥や虫を見つけた時
猫はとても好奇心旺盛な生き物。
好奇心の強さはそれぞれの個体の性格や年齢にもよりますが、多かれ少なかれ猫ちゃんは未知なるものに強い興味を持っています。
そうなると、映画のように目まぐるしく変化する外の世界に興味を抱かないはずはありません。
特に鳥や虫を見つけたときは、ハンターとしての本能も覚醒するため、居ても立ってもいられないよう。
どうしても外に出ようとドアをガリガリと引っ掻いて奮闘します。
その努力が叶わないと分かると、猛烈「外出せアピール」を繰り出す猫ちゃんもいるようです^^;
パニックになった時
猫はとても繊細でデリケート。
ちょっとしたことでパニックを起こしてしまうこともあります。
そういう時、逃げ場がないと感じると普段怖がってお外に出ない子でさえ、外に飛び出してしまうことがあります。
これは猫が自発的に出たがるというよりも、自分の身を守ること以外の判断力をなくしての行動なので、とても危険です。
お皿が割れる音や掃除機の音、突然部屋に知らない人がいた、熟睡時に急に触られたなど、猫はちょっとしたことで非常に驚きパニックになってしまうことがあるので、その可能性があるときは戸締まりをしっかりしておきましょう。
驚かせてばかりいると体にも良くないので、驚かないよう事前に配慮してあげるのが一番いいですね。
発情期の時
発情期、それは猫にとっての恋の季節。
猫ちゃんは相手を求めて外へ飛び出していくでしょう。
発情期になると、メス猫は落ち着きがなくなり、「わおーーん」と大きな声で鳴いて何度も脱走を試みます。
また、メス猫の発情(フェロモン)を察知したオス猫も大変です。
発情したメス猫が近くにいると分かると、何がなんでもメス猫をゲットしにいこうとします。
他のオスに取られてはかないませんからね^^;
メスの発情期には、メスだけではなくオスも、隙あらば脱走しようとしていますので全く油断できません。
本能の欲求でそうなっているだけなので、仕方ないといえばそうなのですが・・・。
猫が要求するときは外に出した方がいいの?
あまりにも強く「出してー」と要求して来られると、「外に出られないのはかわいそうだ」とか「猫がストレス溜まりすぎて体に良くないんじゃないか」と考えてしまうかもしれません。
ですが、どんなことがあっても絶対に猫を外に出さないでください。
極端にいうとお外に出れなくて猫がストレスを抱えるよりも、安易に外に出す方がリスクが大きすぎるということです。
- 思わず車の前を横切って交通事故に遭ってしまう
- よその猫とケンカしてひっかき傷をもらってくる
- 不衛生なところを歩いて病原菌をもらってくる
- 高い場所からうっかり足を滑らせて骨折してしまう
- 心無い意地悪な人間に虐待されてしまう
- 草むらでノミやダニに刺される
- うっかり近所で排泄してしまい苦情をもらう
- メス猫ちゃんは妊娠してしまう可能性
完全室内飼いの猫の寿命が平均で16歳ぐらいなのに対して、外に自由に出入りする猫の平均寿命は3年〜7年と言われています。
平均寿命がおよそ半分以下になってしまうほど、猫の外歩きは危険がいっぱいだということです。
たしかに、猫が「外に出たい!」と切なそうに要求して来られるとつい「かわいそう・・」という気持ちになってしまうのも分かりますが、それは逆に猫を不幸な目に遭わせてしまうリスクを高め、寿命を縮めるものだと心得ておいてくださいね。
お外に出たい!とうるさく鳴く時の対処法は?
遊んで気分を紛らわせる
退屈のあまり刺激を求めて外に出たがる場合があります。
そういう時は、猫の名前を呼んでまずは遊びに誘ってあげるのがいいですね。
お気に入りのおもちゃや、動くものを使って、外ではなくこちらに気を引かせるようにします。
ものの5〜10分ほど相手をしてあげれば、満足してすっと昼寝に移行してくれることもあります。
猫は退屈が解消されたと感じると、外に行きたかった気持ちを一旦忘れてくれますので、まずは遊んで気分を紛らわせてあげるのは非常に効果的です。
おやつで気分を紛らわせる
遊びで気分を紛らわせるだけでなく、おやつで気分を紛らわせる方法もあります。
猫は基本食べることが大好きです。
特に、おやつの吸引力はものすごく、猫にとって何よりも優先したい大変魅力的なものなのです。
ポイントとしては、外にでたいと要求するタイミングで、おやつの袋をカサカサ音を立て名前を呼びながら、外ではなくこちらに気を引かせることです。
『外なんかに出てったらこんなに美味しいの食べられないよ〜』
という気持ちを込めて、猫を誘います。
そもそも、猫は飼い主が自分におやつをくれるそぶりを察してすぐに反応しますから、かなり効果てきめんといえるでしょう。
おやつを食べて「満足」という感情に満たされれば、あえてわざわざ危険な外で不満を解消する必要もなく、外に出たい気持ちなどすっかり忘れてベッドへ直行してくれますよ。
リード&ハーネスを付けて散歩に出かける
どうしても外に出たくて激しく鳴いたり、ガリガリと戸口を引っ掻いて強く要求するようであれば、リード(ハーネス)をつけて散歩に出かけるのもいいでしょう。
特に、一度でも外に出たことがある猫ちゃんでしたら、少しだけでも外の空気を吸えば、それで納得してくれることもあります。
また、リードをつけて散歩すれば、猫に行ってほしくない場所(例えば、溝の中など不衛生なところ)を阻止することができます。
猫を野放しにするよりはマシですね。
ただし、猫の散歩は細心の注意を払わなければならず、飼い主さんの方も非常に神経を使うものですので、最終手段として捉えておいた方がいいですね。
いくつか注意点がありますので、しっかりチェックしておきましょう。
- リードは離さずしっかりと持つ
- 散歩をする範囲を決める
- 散歩後のケア
- 迷子や健康上のリスク対策
- 外に出たことのない猫は散歩しない方が良い
猫の散歩は犬とは違い、難易度が高いものです。
ちょっとしたことで猫が驚き急に走り出してしまったり、思いがけないところに入り込んでリードが絡まり身動きができなくなったりなど、想定外のことが起こりやすいのです。
もし、油断してリードを持つ手を緩めていると、突発的に猫が走り出した時はもう遅い。
猫の瞬発力は非常に高いので、あなたが「あっ!」と思ったその時にはリードを抜けて、猫はハーネスをつけたまま脱走状態になってしまうでしょう。
猫の脱走を防ぐために散歩に出したつもりが逆効果になってしまいますので、必ずハーネスにリードをつけて、リードをあなたがしっかりと離さず持っていてください。
散歩する範囲を決めず無節操に散歩をさせると、猫が余計に外に出たがるようになってしまう可能性もあり、かえって逆効果になってしまうこともあります。
猫のテリトリー外のところにわざわざ連れていったり、猫の行きたいままに散歩をするのではなく、範囲を決めてその中で散歩をするようにしましょう。
お隣の敷地内に猫が行きたがることがあっても、「そこは○○ちゃんのおうちじゃないよ」と声をかけてリードを優しく引っ張るようにして教えてあげれば、猫は分かってくれるようになります。
散歩が終わったら体や手足をぬるま湯でしぼったタオルで拭き取り、屋外の汚れを除去しましょう。
また、その際には猫にノミやマダニが付着していないかしっかりと確認します。
もし、「散歩をさせる」ということを選択するのであれば、万一のために、迷子札をつける、マイクロチップを埋め込む、ワクチンや避妊・去勢を済ませておくなどの対策を行っておきましょう。
外に出たことのない猫にわざわざ「外に出る」という経験をさせるのも避けた方が良いですね。
飼い主が付き添いながら屋外に出るということは「そこは安全な場所」という認識を猫に植え付けます。
猫は一度でも自分が行ったところで安全と判断すれば、そこは「自分の縄張り」と認識しますので、余計に「外に出たがる猫」になってしまうこともあります。
外に出したことがなければ、わざわざ外に出すということをする必要はありません。
普段から対策しておきたいこと
去勢・避妊手術は必須
外に出たがる理由が発情期による場合は、避妊・去勢手術でほぼ解決されます。
オス、メスともに、発情期は外に出たくて大きな声で鳴きます。
外に出れない状況というのは自由に生殖行動ができないということですから、これは猫にとってかなりのストレスになっているんですね。
ドアの前で必死に鳴き叫ぶ猫をほっておくのも非常に可哀想ですし、だからといって避妊・去勢手術もしていない猫を外に出すのは、当然ですが絶対やってはいけません。
なので、避妊・去勢手術はやるべき時期に必ず行ってあげてくださいね。
発情期のしんどさから解放されれば、精神的にとても落ち着きますよ^^
室内の環境を快適に遊べる環境にする
猫は外の縄張りが気になったり、気分転換がしたくなると外に出たがります。
また、家の中で急に大きな音がしたり、人間がバタバタとせわしなく動き回っていると「落ち着かない・・」と感じ、ますます外に出たがってしまうでしょう。
したがって、室内の環境を猫にとって最高に居心地良く、安全快適で楽しい空間になるように工夫するというのも非常に有効な対策法です。
例えば、
- キャットウォークやキャットタワーで高い場所で遊べるように
- ダンボールや紙袋、くぐるおもちゃなどで隠れる場所を作る
- バルコニーやベランダから外が一望できるようにする
- 動くおもちゃで猫の好奇心を刺激する
等、室内の環境をできるだけ猫が快適に遊べるようにするだけでも、かなりストレスが軽減します。
室内が楽しければ、わざわざ危険な外にでて退屈をしのごうとすることもなくなるでしょう。
もともと猫は、安全を好み危険なところには足を突っ込みたくない生き物なのです。
脱走防止のための物理的な対処も
避妊・去勢手術をしたり、室内を快適に保ったり、猫を外に出さない飼い主さんの努力は並々ならぬものですが、やはり相手は猫。
突発的にどんな事態が起こるか分かりません。
普段は全く外に興味を示さないように見えても、大きな音に驚いたり、ふと隙をついて外に飛び出してしまうこともあるのです。
ですので、物理的に猫が外に出れないような対策も施しておきましょう。
具体的には、以下のような対策をしておくといいでしょう。
- 窓や玄関のドアを二重扉にする
- サッシや網戸にはストッパーや網戸ロックを施す
- 網戸はペットディフェンス(網戸用ネット)に張り替える
- ベランダにもワイヤーネット等で柵を作る(落下防止にも)
猫は賢いので、本気を出せばいとも簡単に脱出してしまいます。
ただ、がんばっても簡単には脱出できないと分かると、無駄な努力はせずわりと早くに諦めてくれますので、「脱出できないものだ」と頭に刷り込むためにもしっかりした物理的な対策は必須ですね。
おわりに
今回は、外に出たがる猫の気持ちや、要求された時の対策方法についてご紹介しました。
かわいい猫が戸口でしきりに「出たい出たい」と鳴いているのは少々胸が痛みますが、ここは心を鬼にして断固出さない方針を貫くべきところだと思います。
ストレス発散させられないのは可哀想と思うかもしれませんが、決して猫も「危険な目に遭ってまでストレス発散したい」わけではないのです。
その代わりに、室内でも満足してくれるように、相手をしてあげたり環境を整えてあげることが大事ですね。
そうしてあげると、猫は必ず納得してくれますし、そういう飼い主のなんとかしてあげようとする姿勢を感じてくれます。
ぜひ、あなたの可愛い猫を長生きさせてあげるためにも、室内飼いを徹底してくださいね^^
うちには雄猫のタクちゃん1才と雌猫の麦ちゃん11ヶ月が雄猫タクちゃんは毎日外に出たがり朝から大きな声で鳴きます。夕方とかハーネスを着けて散歩にでますがそれでも家に戻るとまた鳴きます雌猫の麦ちゃんは外には全く興味がありませんがタクちゃんからストレスのはけ口なのかよくマウントされてます!激しい時もあり心配になります