近年では、猫の多頭飼い率が高くなっていますが、複数頭の猫と暮らすうえで、最大のネックとなるのがトイレにまつわる問題ではないでしょうか。
猫はトイレにこだわる動物ですし、多頭飼いがしたいと思っても、「多頭飼いともなると飼い主の負担が増えるのでは?」と心配になるのも無理はありません。
- 多頭飼いしたいけれど、トイレは共有できる?
- それとも、トイレは個別に準備するべき?
- 多頭飼いは、トイレの掃除が大変そう・・・
このように、多頭飼いにおけるトイレの悩みというものは尽きることはありませんが、どのようにすれば、猫を多頭飼いしていてもトイレ環境を快適に保てるのでしょうか?
そこで、この記事では、猫の多頭飼いのトイレは共有できるのかどうかをはじめ、おすすめのトイレや設置場所の注意点まで、詳しくご紹介していきます。
数多くの猫と暮らしてきた筆者が、愛猫たちとの体験談を交えながら、多頭飼いのトイレについての疑問を徹底的に解説しますよ!
もくじ
猫の多頭飼いでトイレは共用できる?
結論から言うと、猫の多頭飼いでトイレを共有することは「できない」といえます。
多頭飼いする場合、一般的にトイレの数は【猫の頭数+1個】が理想的とされていますが、トイレを共有できないうえに、どうして余分なトイレまで準備しなければならないのでしょうか?
主な理由は下記の2つです。
- 縄張り争いを避けるため
- 粗相を防止するため
では、それぞれ詳しく解説しましょう。
縄張り争いを避けるため
多頭飼いしている猫と猫との縄張り争いを避けるためには、必要最低限でも猫の頭数の分だけトイレを準備する必要があります。
猫の性格や相性によっては、他の猫の匂いを気にすることなくトイレを共有できるレアケースもありますが、多くの猫が他の猫の匂いを嫌がり、排泄で縄張りを主張しようとします。
仲が悪い猫同士では、トイレの前で待ち伏せをして排泄するのを妨害したり、油断しがちな排泄中に襲いかかるといったこともありますので、トイレの共有はやめておくのがベター。
複数頭もの猫と暮らすとなると、トイレの数を増やしていくのもなかなか難しいかもしれませんが、なるべくそれぞれの猫にトイレを準備してあげてくださいね。
粗相を防ぐため
多頭飼いの猫の粗相を防ぐためには、【猫の頭数+1個】のトイレを準備することが理想的です。
綺麗好きな猫は匂いに敏感でもあるので、他の猫の匂いがするトイレでの排泄に抵抗を感じ、不満からストレスを溜めれば、トイレ以外の場所で排泄してしまう可能性が非常に高いです。
汚れたらすぐに掃除をするに越したことはありませんが、猫の頭数が増えるにつれてトイレの汚れるペースも早くなるものですし、掃除に追われるのも大変ですよね。
そのため、猫の頭数より余分にトイレを準備しておくことで、猫が専用にしているトイレが汚れたとしても、いつでも綺麗な状態のトイレを使用できますよ。
我が家の場合、歴代の猫たちはトイレの共有ができるタイプでしたが、チビ・♂は、まさに他の猫の匂いがするトイレに物凄~く抵抗を感じるタイプ。
自分以外の猫との共有はもちろん、少しでもトイレが汚れていると、抗議と言わんばかりに粗相しまくります。
そのため、猫砂を入れたトイレとペットシーツを入れたトイレを常備。ペットシーツなら汚れても丸ごと交換できますし、コスパも◎です。
yuki
多頭飼い時の猫のトイレの注意点
猫を多頭飼いするなら、トイレ環境の面で注意しなければならない点がいくつかあります。
一体、どのようなところに注意するべきなのでしょうか?
ここでは、多頭飼い時の猫のトイレについての注意点を解説します。
感染症のリスクが高くなる
猫を多頭飼いする場合、同じ屋根の下で複数頭もの猫が暮らすわけですから、当然のように感染症のリスクも高まります。
特に、猫が発病する感染症のなかには、トイレが感染経路となる病気(猫ウイルス性鼻気管炎)があり、免疫力の弱い子猫やシニア猫が感染すると死に至る恐れも。
したがって、多頭飼いをする際は、新入りの猫がワクチンを接種しているかどうかを確認し、まだ接種していない猫には、ワクチンを接種し終えるまで先住猫のトイレには近づけないようにしましょう。
3種混合ワクチンで予防できる病気ですので、ワクチンを接種し終えるまでは、トイレの共有はもちろんのこと、先住猫のトイレに近寄るのは避けてくださいね。
我が家の場合、新しく猫を迎えても、予防接種をし終えるまでは先住猫のトイレ付近に近寄ることができないようにしています。
先住猫のトイレから避けることはブリーダーやペットショップなどでも推奨していますので、ご存知かも知れませんが、予防接種を終える数ヶ月のあいだは気をつけましょうね。
yuki
トイレはこまめにチェックする
猫を多頭飼いする場合、猫同士がお互いの匂いに嫌悪感を示さなくなると、トイレを共有し合うこともあり得るので、排泄物が混ざっていないかなどこまめにチェックすることも大切です。
トイレの状態をチェックするというのは、多頭飼いでも多頭飼いでなくても当たり前のことなのですが、複数頭の猫がトイレを共有していると、排泄物に異常を発見しても「どの猫の排泄物なのか分からない・・・!」といった事態になりがち。
万が一、血尿や血便をしていたとしても、どの猫が体調を崩しているのかを早く特定するために、できるだけトイレを清潔に保ち、こまめなチェックを心がけてくださいね。
猫砂の素材に気をつける
多頭飼いしている猫によっては、猫砂に使用されている素材で好みが分かれることもあるため、それぞれの猫が気に入る猫砂を選びましょう。
- 鉱物(ベントナイト)
- 食物(おから)
- 紙(再生パルプ)
- 木(おかくず・チップ)
- 化学物質(シリカゲル)
上記のように、主に猫砂は5種類からの素材で作られています。
猫にも様々な好みがありますので、気に入らない素材の猫砂を使用し続けているうちに排泄を我慢したり、粗相につながってしまうこともあるんですよね。
「〇〇ちゃんはシリカゲルの猫砂が好きだけど、△△ちゃんはチップの猫砂が好き」というように、それぞれの猫の好みに合わせた猫砂を使用してあげてください。
多頭飼いトイレの設置場所のポイント
猫は、排泄物を隠そうとする習性を根強く残している動物です。
そのため、猫を多頭飼いするとなると、トイレの設置場所にも気を配らなければなりませんが、どのような場所に設置するのがベストなのでしょうか?
ここでは、トイレの設置場所についてのポイントを解説しますよ。
他の猫の視界に入らない場所
猫の多頭飼い時には、「排泄物を隠すことにより外敵から身を守る」という猫の習性を踏まえて、他の猫の視界に入らない場所にトイレを設置するのがおすすめです。
猫は、人間をはじめ自分以外の動物に排泄を見られることを苦手としがちなので、他の猫から隠れられるようなところにトイレを設置するのがベスト。
また、他の猫からの視線を遮るために、ドームタイプ(個室型)のトイレを活用するのも良いですね。
他の猫のトイレから離れた場所
猫の多頭飼い時には、猫が精神的な負担を感じず、気持ちよく排泄できるように、他の猫のトイレから離れた場所にトイレを設置するのがおすすめです。
猫同士の仲が険悪な場合、自分以外の猫がトイレ付近にいるだけでもストレスとなってしまい、トイレを使用するのを我慢してしまう可能性が。
猫同士の仲が良好なら離すことはありませんが、猫のパーソナルスペースを守るためにも、猫同士のトイレはなるべく離れたところに設置するのがベターですよ。
多頭飼いの猫用トイレおすすめ5選
猫を多頭飼いしていると、それぞれの猫が気に入るトイレを選んであげたくなりますが、どのようなトイレを選ぶのがおすすめなのでしょうか?
ここでは、多頭飼いの猫用トイレの選び方について解説します。
多頭飼いトイレの選び方
- ドームタイプのトイレ
- ワイドタイプのトイレ
- 全自動タイプのトイレ
ドームタイプのトイレを選ぶ
多頭飼いの猫には、他の猫の視線を気にすることなく排泄できるドームタイプのトイレを選ぶのがおすすめです。
ドームタイプのトイレは、猫の体がすっぽりと収まる個室型になっているため、囲まれたスペースで落ち着いて排泄できるところがポイント。
また、トイレの周囲がぐるりと密閉されていることで、猫砂が飛び散らなかったり、匂いを防いでくれるのも嬉しいですね。
ワイドタイプのトイレを選ぶ
多頭飼いの猫には、他の猫との鉢合わせを避けられる広々としたワイドタイプのトイレを選ぶのもおすすめです。
ワイドタイプのトイレは、従来のトイレとはサイズが大幅に異なり、かなりの広さがあるため、トイレの数が少なくても猫が好きな箇所で排泄できるところがポイント。
また、猫の頭数が多く、「頭数の分だけトイレを設置したいのは山々だけれど、住居のスペースを考えると難しい・・・」というようなお悩みを抱えている場合でも◎。
トイレ内にしっかりとしたゆとりを持たせることで、猫同士で共有できるのはもちろん、大型の猫種にも向いていますよ。
我が家の場合、猫の頭数にもよりますが、猫同士の仲が良好な組み合わせであれば、ワイドタイプのトイレを設置するだけでも十分でした。ひとつあると便利ですので、ワイドタイプのトイレも検討してみてくださいね!
yuki
全自動タイプのトイレを選ぶ
猫を多頭飼いしていて、トイレ掃除の回数が多いことでお困りなら、自動で掃除してくれる全自動タイプのトイレを選んでみてはいかがでしょうか。
全自動タイプのトイレは、一人暮らしをしていたり、仕事などでつい掃除がおざなりになってしまうことがあっても、本体に搭載されたセンサーが猫の排泄を認識し、自動的に掃除を開始してくれるところが大きなポイント。
全自動トイレが一台あれば、もう掃除にも振り回されず、非常に役立つこと間違いなしです!
多頭飼いトイレのおすすめはこれ!
トイレにも様々なタイプの製品が展開されていますが、多頭飼いの猫にはどのようなトイレがしっくりくるのか気になりますよね。
ここでは、具体的に、多頭飼いの猫におすすめの猫用トイレを5つご紹介します!
modkat Flip Litter Box flip 100
【modkat Flip Litter Box flip 100】は、ニューヨーク・ブルックリンのインテリアブランドがデザインしているドームタイプ(個室型)のトイレです。
前方にある出入り口から出入りすることができ、高い天井と内部のスペースをしっかりと確保した設計となっているため、多頭飼いの猫でも快適なトイレタイムを過ごせるでしょう。
水洗いできる本体なので、日頃のお手入れも楽に行えますし、無駄を省いたシンプルでモダンなデザインはインテリアにも馴染みますよ。
pidan LITTER BOX Snow dome
【pidan LITTER BOX Snow dome】は、フランス・パリのデザインチームが発案したドームタイプ(個室型)のトイレです。
こんもりとしたスノードームを彷彿とさせる形状で、大きなドーム状のスペースが多頭飼いの猫のプライバシーを守ってくれることでしょう。
本体の素材には、日本の抗菌技術「イオンピュア」を採用しているため、消臭性が高く、ドーム部分とトレイ部分を取り外して水洗いすることもできますよ。
デザイン性・機能性共にバツグンで、世界三大デザイン賞「レッドドットアワード」を受賞しているのにも頷けますね。
Moderna Products メガトレー
【Moderna Products メガトレー】は、ベルギーのペット用品メーカーが製造しているワイドタイプのトイレです。
日本国内ではなかなかお見かけしないメガ級のサイズがポイントで、「とにかく大きなトイレが欲しい!」という多頭飼い派からの要望で誕生しました。
幅48cm×奥行65cmと、かなりのワイドサイズではあるものの、本体の構造はシンプルに仕上がっているため、お手入れは簡単に行えますよ。
また、北欧ならではのミニマルなデザインも人気のひとつとなっています。
Richell コロル ネコトイレ F60
【Richell コロル ネコトイレ F60】は、猫の多頭飼いに向けられて展開しているワイドタイプのトイレです。
トイレへの出入りをスムーズにするオープンな形状となっており、広々としたサイズが多頭飼いの猫には最適でしょう。
本体の素材は、お手入れが簡単なプラスチック製で、猫砂が飛び散るのを防ぐ深型タイプとなっているところも嬉しいポイントですね。
カラーのラインナップは、パープル・ベージュ・ライトブルーの3色。
品のある甘さ控えめのパステルカラーが、気分をハッピーにしてくれますよ!
PETREE 猫用自動トイレ
【PETREE 猫用自動トイレ】は、猫への安全性が非常に優れており、特許も取得している全自動タイプのトイレです。
4Lもの大容量のダストボックスに排泄物が収められ、1匹あたり約7日間まで継続して使用できるので、トイレ掃除の回数が多くなりがちな多頭飼いにはおすすめ。
物体感知センサーが猫の体重を感知して作動する仕組みで、猫がトイレから退出して約30秒後に処理が開始されるため、旅行や長時間の外出をすることがあっても安心です。
自動で作動する以外にも、手動モードやスリープモードが搭載されているところや、清潔感のあるスタイリッシュなデザインも◎ですね。
まとめ
猫の多頭飼いのトイレは共有できるのかどうかをはじめ、おすすめのトイレや設置場所の注意点までお伝えしましたが、いかがでしたか?
猫にとっても、トイレという空間は非常にプライベートなものですので、複数頭の猫と共同生活をする多頭飼いの猫には尚のこと、安心してトイレを使用してもらいたいですね。
猫を多頭飼いするなら、トイレ以外での粗相やストレスを軽減するために、猫が満足するトイレ環境を整えることがキーとなります。
愛猫たちがプライベートな時間をストレスフリーに過ごせるように、快適なトイレ環境を用意してあげてくださいね!