「猫バンバン」という言葉はTwitterを通じて広がっていきました。
日産自動車が、猫バンバンの前に「#(ハッシュタグ)」を付けて検索しやすいようにした投稿をし、猫好きさんをはじめ、車を所持している人が注目しています。
猫バンバンという言葉からは一体何を意味するものなのか少しわかりにくい面もあり、猫の命を守るためと言われてもピンと来ない人も多いのではないでしょうか?
猫をバンバンするの?何のために?と思う方もいるかもしれません。
言葉からはイメージがしにくい「猫バンバン」が、なぜ猫のためになるのかを紹介していきます。
詳しい猫バンバンのやり方や、さらに「猫バンバン」を知ってもらうために、自分でできるステッカーの作り方なども合わせて紹介します。
もくじ
猫バンバンとは?
猫バンバンという言葉が注目されたのは2015年。
2014年の冬に日産自動車が「車に猫などの動物が入り込んでいるかもしれない」とSNSに投稿したところ多くの人から反響があり、2015年に再度Twitterで呼びかけをしたのち、2016年に日産自動車内で正式なプロジェクトとして発表されました。
日産自動車が提唱して始められた猫バンバンは、他の自動車会社にも賛同されて拡大していっています。
猫が好きな人は猫の情報を集めるうちに「猫バンバン」という言葉を知る機会もあるかもしれません。
ですが、車に乗る人がすべて猫好きなわけではなく、猫バンバンのことを知らずに車に乗っている人も多いでしょうし、言葉の意味さえわからないという方もいるようです。
自動車メーカーが提唱しているとおり、猫バンバンを実践する必要があるのは猫好き猫嫌い関係なく実際に車に乗る人たちです。
「猫などの動物が入り込んでいるかもしれない」と懸念されている場所は、車のエンジンルーム。
車のエンジンルームには穴があいており、猫くらいの大きさなら簡単に入り込むことができますが、もともと猫は狭い場所に入り込むのを好む習性があります。
したがって、外敵から身を隠す場所としても、車のエンジンルームは非常に魅力的な場所になるのです。
特に、冬になるとエンジンを止めた後のエンジンルームは暖かいため、寒さをしのぐために野良猫が好んで入り込んでしまうことがあるようです。
もし、猫がエンジンルームにいるままエンジンをかけた場合、猫の命を奪ってしまう事故につながります。
また、猫を巻き込む事故が起こってしまうと車も故障してしまう可能性があり、部品の交換や整備が必要となります。
猫を悲しい事故から守るためにも、自分の車を守るという意味でも、エンジンルームに猫が入っていないかを確認し、いるようならエンジンをかける前に出ていってもらわなくてはいけません。
エンジンルームに入り込んだ猫に出ていってもらうために、運転する前に車のボンネットを叩いて猫に気付かせるのが「猫バンバン」です。
決して猫をバンバンと叩く虐待の意味ではありませんので、ご注意を^^;
猫バンバンのやり方
猫バンバンのやり方(手順)
猫バンバンのやり方は至ってシンプルで、ボンネットを手でバンバンと叩くだけです。
ただ、それだけでは猫が入り込んでいないかの確認にはなりませんので、確実に猫に出ていってもらうための手順を紹介します。
STEP
1ボンネットを叩く
まずは、エンジンルームの上のボンネットをバンバンと叩いて、車を動かすことを猫に知らせてあげましょう。
ボンネットとは車のエンジンルームの上にあるカバーのことで、あまり開ける機会がない場所ですね。
そこをわざわざ開ける時というのは、普通はウォッシャー液がなくなった時ぐらいでしょうか。
バンバンというとかなり強めに叩くのかと感じるかもしれませんが、猫バンバンの英語表記が「KnockKnockCats」となっているように、軽くノックするくらいのイメージで大丈夫です。
STEP
2車を軽く揺らす
エンジンルームまで入り込んでいなくても、タイヤの上などに乗っている場合もありますので、車を軽く押して揺らし、振動を猫に伝えましょう。
ボンネット付近におらず、バンバンでは気がつけなかった猫にも、車体の振動が気づかせてくれることもあります。
STEP
3車の下やタイヤをのぞいて確認する
エンジンルーム以外にも、車には猫が隠れる場所がたくさんありますが、タイヤの上や車の下などは特に要注意スポットといえるでしょう。
この箇所は、目視して猫がいないか確認するのがよいですね。
長時間、何日も野外に車を駐車している方は乗る前に車の周辺に猫がいないか、きちんと目で見て、気配や猫の声が聞こえないかを確認しましょう。
STEP
4他にも・・・
クラクションを鳴らしたり、ドアをバタンと開け閉めすることでも、猫に危険を知らせるのに効果的です。
大きな音を立ててもまだどこかから猫の気配がする場合は、ボンネットを開けてエンジンルームを目視で確認してみましょう。
エンジンルームに入り込むのは子猫が多く、エンジンの隙間に隠れて怖くて動けなくなっていることも考えられます。
もし、猫が入り込んで出てこない時に、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)やディーラーなどの車の専門家にお願いしましょう。
YouTubeで日産自動車が「猫バンバンプロジェクト」の動画が配信されています。
猫バンバンのやり方の参考にしてみてください。
#猫バンバン PROJECT MOVIE by NISSAN #KnockKnockCats
日産自動車株式会社
猫バンバンは夏も必要?
猫がエンジンルームに入り込むのは、冬の寒い時期だけとは限りません。
猫は狭くて暗い場所を好み、安心してくつろげる場所を探しています。
雨風もしのげる車のエンジンルームは猫にとって安心できる場所といえるのです。
加えて、エンジンルームは猫にとって、冬は暖かく夏は涼しい場所。
冬の場合は「暖を取るために」車の周辺に集まってきますが、夏の場合は「涼を取るために」エンジンルームを陣取ります。
夏は、安心できてかつ猛暑の日光を避けられる場所として格好の場所になるので、猫が車の中に入り込む可能性も非常に高いのです。
夏や冬だけではなく、そもそも車自体が猫が好む場所であるのを考えると、猫バンバンは季節限定ではなく一年中行うべきといえるでしょう。
猫バンバンをやる時のコツや注意点
猫バンバンをする時に車のどの部分を叩けば、猫が危険を知らせることができるのでしょうか。
コツは「音」と「振動」を合わせることです。
エンジンルーム以外にも猫がいる可能性を考えると、ボンネットを叩くだけではなく車体全体を揺らすことで、くつろいでいる猫にも振動が伝わりやすくなります。
車体を叩く時には、車の前面部分(エンジンルーム)を中心に前輪の周りなどを叩いてみてください。
叩く際に傷がつかないかと思われるかもしれませんが、猫バンバンにそれほど力を入れる必要もありませんし、少々叩いたところで凹んだり傷がつく心配はありません。
猫バンバンのコツは軽くノックするイメージでまったく問題ありません。
猫バンバンの効果のほどは?
猫バンバンの効果について
猫バンバンでボンネットを叩いて危険が近づいているのを教えてあげるという意味で、猫バンバンはある程度の効果があります。
ですが、相手は猫のこと。
その効果は必ずしも100%ではありません。
エンジンをかける前に猫に気付いてもらい、車から出ていってもらうことが目的の猫バンバンですが、すべての猫が実際に驚いて飛び出してくれるわけではないのです。
例えば、
- そもそも人が近づいて車体を叩いてもその音にに気がついてない猫
- バンバンという音に気がついても緊急自体だということを理解せずそのまま寝続ける猫
- バンバンという音に気がついても緊張して固まってしまい動けない猫
- 逆に驚いてさらに奥に入り込んでしまう猫
といったように、いろいろなケースが考えられるわけです。
ですが、それでも「猫バンバン」は最低限行っておきたい確認事項です。
2018年2月21日のJAF(一般社団法人日本自動車連盟)によると、2018年1月1日〜1月31日の1ヶ月間に猫が原因で起こった車のトラブルでJAFが出動した件数は19件、そのうちの13件は、猫が侵入していることに気が付かずエンジンをかけた後に異変に気づいた・・ということ。
参考 猫がクルマに入り込んでしまったトラブル1ヶ月で19件!JAFつまりこれは、猫バンバンをしていればもしかしたら助かったかもしれない命だということに他なりません。
猫が中に入り込んでいることに人間が気付ければ手の打ちようがあります。
猫バンバンで100%猫が出ていってくれると保証するものではありませんが、エンジンをかける前にまずは真っ先にやっておきたい行動には間違いありません。
猫バンバンをやっても意味ない?
猫がエンジンルームのような暗くて狭い場所を好むのは警戒心が強い性質の動物だから。
なので、「猫バンバンをしなくても車のエンジンを警戒して逃げるんじゃないの?」と疑問を持つ方もいるかもしれませんね。
確かにエンジンをかければ大きな音、振動で猫は驚いて逃げ出すでしょうが、中に入り込んでエンジンの近くにいる場合にはファンやベルトなどのエンジンの構造物に巻き込まれてしまう恐れがあります。
エンジンをかけた瞬間に巻き込まれて、猫の命は消えてしまうのです。
猫バンバンで音を立てて猫に気付いてもらう必要性はとても高く、エンジンをかけてからでは遅いと認識してください。
猫バンバンステッカーの作り方
猫バンバンステッカーとは?
猫バンバンステッカーは、日産自動車が「猫バンバン」をして猫の命を守ろうという趣旨のプロジェクトを広めるためのもので、意味を理解し賛同している人が車に貼って、その意思を伝えるために使われます。
猫バンバンをする必要があるのは車を使う人たちで、ステッカーを車に貼って意思表示をすることで見た人に猫バンバンを知ってもらい、実践してもらうように広めていくという目的があります。
猫バンバンという言葉の意味がわからなくても、車に貼ってあるステッカーを見て興味を持ってもらうだけで言葉の周知につながり、成果への足掛かりになっていくでしょう。
猫バンバンステッカーの作り方
用意するもの
- ロゴデータ
- ステッカー用セット
- プリンター
- 30cm定規
- ハサミまたはカッター
作り方の手順
ここでは、ステッカーの作成方法について解説します。
STEP
1データのダウンロード
日産自動車の猫バンバンプロジェクトの公式サイトでは、ロゴデータやステッカーデータがダウンロードできるようになっています。
データは「Illustratorダウンロード」「PNGダウンロード」「JPEGダウンロード」と、3種類の形式で用意されていますので、お持ちの画像編集ソフトで使用できるものをダウンロードしてください。
ダウンロードしたデータでそのまま出力する場合には「JPEGダウンロード」がおすすめです。
以前はプレゼントなどで配布していたこともあるようですが、思った以上に反響があったのか、現在はデータは無料で公開されており、欲しい人が随時手に入れられるようになっています。
また、ステッカーデータ以外にもポスターデータやスマートフォン壁紙データなどもありますので、用途ごとに使い分けができるのが嬉しいですね!
猫バンバンのステッカーの猫は白猫ですが、愛猫に似た猫が良いという場合にはステッカーデータとは別にいろんな種類の猫がモチーフになった正方形バージョンもありますよ^^
STEP
2画像編集ソフトにデータを貼り付け&テスト印刷
ダウンロードしたデータを画像編集ソフトに貼り付けましょう。
猫バンバンステッカーのデータの元の色はグリーンなのですので、色や大きさが変更できるという場合には車の色や貼りたいと思う位置に合わせて拡大・縮小してみてください。
データの準備ができたら、まずは普通の用紙に印刷してみてましょう。テスト印刷したものを切り取って、車にあててみて色や大きさなどを確認してみてください。
お持ちのプリンターによって色の出方が違う可能性があり、いきなり本印刷してしまうとイメージ通りにならない場合がありますので注意してください。
STEP
3本印刷
試作したもの中からイメージに合う色や大きさを選んだら、データを作り直していざ本印刷してみましょう!
ステッカー用のセットには車に直接貼り付ける強粘着タイプとマグネットタイプがあります。
セットの中に説明書が入っていますので、入っている物や作り方を確認をしましょう。
メーカーによって違ってきますので、説明書や注意書きはしっかりと読むようにしてください。
強粘着タイプのセットは印刷用のホワイトフィルムラベルと保護用の透明フィルムラベルが入っていますので、印刷用のホワイトフィルムラベルに印刷をしていきます。
マグネットタイプのセットには印刷用のフィルムと保護用の透明フィルム、マグネットが入っています。こちらも印刷用のフィルムに印刷していきましょう。
STEP
4貼り合わせ
印刷した用紙と保護用のフィルムを貼り合わせていきましょう。
用紙とフィルムの端を合わせて貼り合わせ、フィルム側の台紙に数カ所ずつ切れ目が入っているのでずれる心配はほとんどありません。
30cmの定規などを使って空気が入らないように注意しながら、ゆっくりと貼り合わせていきます。
マグネットタイプは保護フィルムを貼り合わせた後に、マグネットを貼り合わせていきます。
こちらも空気が入らないように30cmの定規などを使って、端からゆっくりと貼り合わせていってください。
STEP
5カットして完成
猫バンバンのステッカーデータにはイラストの外側に黒線がありますので、黒線に沿ってハサミやカッターを使ってカットすると完成です!
猫バンバンステッカーは曲線が多いためハサミやカッターでケガをしないように注意しながら、ゆっくりとカットしていきましょう。
まとめ
猫バンバンについて紹介しましたが、いかがでしたか?
まさか車の中に猫が入り込んでいるなんて思いもよらないため、猫が原因の車のトラブルの多さに驚いた人もいるのではないでしょうか?
近所でよく猫を見かけるという場合には、エンジンをかける前に猫バンバンをして猫が車に入り込んでいないか、確認してください。
ボンネットを叩くだけで救われる命があることをご理解いただけましたら、ステッカーを使ったり、車に乗る友人などに話して伝えるなど、少しでも猫の犠牲が少なくなるように「猫バンバン」を広めていってくださいね!