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保健所の猫の引き取り条件や引き取り方|譲渡の際にお金はかかる?

これから猫を飼うことを検討している方は、生涯の家族となる猫とどこで出会うのかというのはとても大きな選択であり、迷ってしまうことも少なくないかと思います。

殺処分前の猫を引き取り家族として迎えることは、猫の命を直接救うことになり、ペットショップで猫を購入するよりも、貢献度の高い素晴らしい選択になるでしょう。

ですが、実際に保健所から引き取るとなると、引き取りの際の条件は厳しいのか、費用はどのぐらいかかるのか、引き取り方はどのようにすればいいのか、気になってしまうところですよね。

そこで、今回の記事では、保健所から殺処分前の猫を引き取る手順や、引き取りの条件、引き取りの際の費用についてわかりやすく解説します。

    筆者も保護猫をボランティア団体から引き取りましたが、保健所から引き取ることも選択肢の一つとして考えていましたので、あなたにとって有益な情報がお伝えできれば幸いです。^^

    保健所から猫を引き取るという選択について

    環境省の発表によると、かつては年間10万匹以上の猫が殺処分されていました。

    捨て猫や野良猫などの行き場を失った猫は、近隣住民とのトラブルや餓死などを防ぐために、地元の保健所に一時保護され、その後動物愛護センターへ収容されます。
    そこで新しい飼い主さん(つまり里親さん) を探すのですが、毎日たくさんの猫が収容されるので、保健所・動物愛護センターともにキャパシティを大幅に超えてしまい、保護しきれずやむなく殺処分というかたちで処理しなくてはならないのです。

    特に、生まれたばかりの仔猫や老猫、ケガや病気を抱えている猫など、里親が見つかる見込みのない猫は即日殺処分という残酷な結末が待ち受けています。

    このような不幸な命をなくすため、日本では殺処分ゼロを目指して、保健所やボランティアなどが懸命な保護・譲渡活動に邁進しています。

    その結果、殺処分数は年々減少していき、平成25年度にはついに10万匹を切りました。
    今もなお減少しており、平成29年度時点で34,854匹まで減りましたが、それでもまだまだゼロには程遠いのです。

    さらに保護できずに命を落とした野良猫も入れると、数え切れないほど多くの命が失われている、というのが現実なのです。

    参考 犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況環境省ホームページ

    保健所で殺処分寸前の猫を引き取ることは、まさに猫の命を救う、とても素晴らしい選択になります。

    保健所に収容されている猫の中には、警戒心の強い子も多いですが、人馴れしている元飼い猫や野良猫などもたくさんいます。
    こういった子なら、はじめての方でも比較的飼いやすいでしょう。

    保健所の猫の引き取る条件

    保健所の猫を引き取る条件は、保護猫ボランティア団体から引き取る際の条件と似ていますが、なかには保健所特有の条件もあります。

    保健所の猫を引き取る条件は、およそ以下のとおりです。

    引き取り条件をチェック!

    • 最期まで愛情と責任を持って飼えるか
    • 猫の生活費を負担できるか
    • 食事やトイレの管理などのお世話が毎日できるか
    • 家族(同居人)全員が賛同しているか
    • 猫アレルギーがないか
    • 避妊去勢手術やワクチン接種を行えるか
    • ペット飼育が可能な住宅に住んでいるか
    • 完全室内飼育ができるか(放し飼いや脱走をさせない)
    • 譲渡講習会を受けたか

    最期まで愛情と責任を持って飼えるか

    動物を飼う上で当然のことですが、まずは猫への愛情と保護者としての責任感が何より大切です。

    「それがあるから来てるんでしょ?」と思うかもしれませんが、中にはそうでない、里親を装って虐待目的で引き取りに来る人もいますので、この意志確認は特にしっかりと行われます。

    したがって、最期まで愛情と責任を持って猫のお世話をすることを胸に誓い、終生飼養の意思表示をすればこの項目は問題なくクリアできるでしょう。

    猫の生活費を負担できるか

    猫は生き物ですから、人間と同じように猫も食事をとり、トイレもします。
    運動をしたり、眠ったりもします。

    猫が生きていくのにも、あなたと同じようにお金がかかります。

    猫を家族にすることは自分の子どもを持つこととほぼ同じことだと考えてください。
    お人形ではなく命を預かるわけですから、我が子のために自分の生活を多少なりとも犠牲にできるか、真の愛情が問われますね。

    猫の生活費の詳細な内訳へ

    食事やトイレの管理などのお世話が毎日できるか

    食事は猫の身体をつくるのに欠かせないものですよね。
    一見そこまで負担にならなそうですが、はじめのうちは猫に合ったキャットフードを見つけるのに苦労をすることがあります。
    愛猫に合ったフード選びをきちんと行えるかが、猫が健康に長生きできるかのカギとなります。

    では、トイレの管理はいかがでしょうか。
    新しい場所に来たばかりの猫は、まずはトイレの場所を覚えるところから始まります。
    その後は、トイレをした後に後始末をしたり、汚れたら掃除をし、清潔に保つ必要があります。

    これらのお世話を毎日、何度も行うことになります。
    仕事の出張やプライベートの旅行が多い人には、難しいかもしれません。

    家族(同居人)全員が賛同しているか

    一度人間に捨てられた猫を引き取るのですから、再び捨てることは許されません。

    保健所は、その可能性が低い家庭に猫を託したいのですから、当然、家族(または同居人)全員が猫を大切にしてくれることが絶対条件となります。

    猫アレルギーがないか

    家族(同居人)全員が猫を大切にするだけでなく、猫アレルギーを持っていないことも重要です。
    最初は持っていなくても、猫と暮らすうちにアレルギーを発症してしまうこともありますので、あらかじめアレルギー検査をしておきましょう。

    避妊去勢手術やワクチン接種を行えるか

    里親には、避妊去勢手術や、1年毎のワクチン接種が義務付けられています。

    避妊去勢手術について

    メス猫は、1年に2回妊娠・出産をすることができ、1度に6匹ほど産みます。
    そして、その子供たちも、生後半年ほどで妊娠・出産できるようになります。

    このように、数年もすればあっという間に猫だらけになってしまうことは、容易に想像できますね。

    野良猫の場合、病気や衰弱、事故、さらには人間による虐待や殺処分などで多くの猫が死んでしまうことがあり、全くこの通りになるというわけではありませんが、飼い猫の場合はこれらのリスクが大幅に軽減されるので、理論上の結果になりやすいです。

    こうなると、猫全員のお世話がしきれなくなり飼い主さんの家計が崩壊する『多頭飼育崩壊』になってしまいます。
    この事態を防ぐために、避妊手術をすることが義務付けられているのです。

    では、オス猫は何もしなくても良いかというとそうではありません。

    オス猫は発情期になると夜鳴きをしたり、部屋のあちこちにスプレー行為をしたりします。

    スプレー行為は、自分の縄張りをアピールするためにマーキングすることで、壁に向かっておしっこをスプレーのように噴射すること。
    これらは家の腐敗や近所迷惑に繋がってしまうため、やはりオス猫も去勢手術をする必要があるのです。

    マーキング用のおしっこは普通のおしっことは違って強烈なニオイがするんだ。だって・・・縄張りをアピールするためのものだから!

    名前

    ですが、本来あるべき姿を変えてしまうのは、猫にとっていいことなのか?

    自然界で生きるライオンやトラなどとは異なり、イエネコは人間社会の中で生きていかなくてはなりません。
    つまり、人間に助けてもらい、猫もまた人間を助け、手を取り合って共生していくのです。
    猫を快く思っていない人もいる中で、ご近所に迷惑をかけないような配慮が必要になります。

    また、不用意に繁殖しても、それだけ命を落とす不幸な猫が増えることになります。
    猫同士の争いだけでなく、人間までもが牙を剥き、死ぬはずのなかった猫の命までもが奪われる世の中。
    果たしてこれが『本来あるべき姿』なのでしょうか?

    ワクチン接種

    人間と同じように、1年に1回ワクチン接種をしてもらうことも、猫生を健康に全うするための重要なメンテナンスになります。

    猫には感染症が非常に多く、病気が発症すると高確率で死んでしまいます。
    また、猫の感染症のなかには人間にも伝染るものもあります。(人畜共通感染症)

    病原菌やウイルスへの耐性を高めるため、毎年ワクチン接種をしてあげましょう。

    ペット飼育が可能な住宅に住んでいるか

    ペット不可の住宅でペットを飼育することは契約違反となり、ペットの処分または退去させられてしまいます。
    こっそり飼おうとしても足音やにおいなど、ペットの飼育経験のある人などにはすぐにわかるものです。

    里親や猫が苦しい思いをしないためにも、ペット飼育可能住宅に住むことが絶対条件となります。

    完全室内飼育ができるか(放し飼いや脱走をさせない)

    昔は猫は放し飼いが当たり前でしたが、今は環境や動物への意識も大きく変わりました。

    先に解説している通り、外には猫にとっての危険がたくさんあります。

    近年、交通事故や虐待・拉致などの殺傷事件が明るみになってきましたね。
    人間社会で暮らす以上、人だけでなく猫も防犯対策を徹底しなければなりません。

    その他にも直ちに危険に晒される可能性が高いのが、病気です。

    外には、人間や外で暮らす生き物たちが放つ様々な細菌やウイルスが漂っています。
    病気の猫を飼っている人からその病原菌やウイルスをもらってしまうかもしれません。
    野良猫と接触・喧嘩によるケガやグルーミングなどにより、猫風邪や猫エイズなどの病原菌やウイルスをもらってしまうかもしれません。

    先の解説の通り猫の病気は致死率が高いので、これらを防ぐためには、ワクチン接種で耐性を高め、そして病原菌やウイルスをつけないことが大切です。

    猫を事件や病気から守るため、屋外に出さず完全室内飼育を徹底してください。
    そして、おもちゃであそんだり、キャットタワーの上り下りなどの運動をさせて、健康な心と体を保ちましょう。

    譲渡講習会を受けたか

    保健所から猫を引き取る際には、『譲渡講習会』というものを受講する必要があります。

    これは、

    • そもそも猫がどんな生き物なのか
    • 猫の習性
    • 猫のお世話のしかた

    などを学ぶもので、里親希望者(代表者)は受講しないと譲渡ができません。

    はじめて猫を飼う人はもちろんですが、ずっと猫を飼っている人にも猫の正しい知識・最新情報をアップデートしてもらうために行っています。
    昔と同じ感覚でお世話をする(例えば人間の残飯や安いだけのキャットフードを与える、放し飼いにする、など)ことで、猫の健康や命に悪影響を与えてしまうようでは、譲渡ができないのです。

    保健所の猫を引き取る際にかかる費用は?

    猫を保健所から引き取る際、まず気になるのは、費用面がどのぐらいの負担になるのかということかと思います。

    猫の譲渡費用も気になるし、他にどんなものにお金がかかるのかな?

    以下の表に、引き取りにかかる初期費用の内訳をまとめました。

    初期費用内訳(参考値)

    • 譲渡費用 :〜30000円前後
    • 生活用品 :約10000円
    • ペット保険:約1000〜3000円
    • 医療費  :約12000円

     

    合計 53000円

    猫種によって譲渡費用やペット保険料、生活用品の種類が異なりますので、金額は多少変わりますが、猫の引き取り時にはおよそ50000円以上を見込んでおいた方が良いでしょう。

    譲渡費用の詳細をさらにチェック!
    保護猫の譲渡・引き取りの条件や費用保護猫の譲渡(引き取り)の条件や費用を徹底解説!一人暮らしは厳しいの?

    保健所の猫の譲渡の流れや引き取り方

    はやく猫を飼いたい!猫を助けてあげたい!
    そんなはやる気持ちのままに行動してしまうと、予想外の事態に慌ててしまうことになります。

    以下の譲渡までの流れをよく読んで、念入りにシミュレーションしておきましょう。

    こちらの動画も参考になるよ!

    出典:東京都動物愛護相談センター 東京都動物情報サイト ワンニャンとうきょう

    猫を引き取る準備をしよう

    まずは、猫を家に迎え入れるための準備を万全に整えることから始めましょう。

    『猫を家族にする』という決意を固める

    まずは、『猫を家族にする』という意志がないと何も始まりません。
    ですが、この決意にも根拠がないと長続きしません。

    先の段落で解説した『保健所の猫を引き取る条件』を全てをクリアしたなら、揺るがない意志で猫を迎え入れることができるでしょう。

    猫の生活費を把握し確保する

    先の段落で解説した費用を毎月、毎年、生涯に渡って確保する必要があります。

    そのため、猫用に口座を解説して毎月積み立てておくと、いざというときに助けになるでしょう。

    猫の生活用品を買い揃え環境を整える

    その生活費を確保したら、猫の生活用品を買い揃え、お部屋の環境も猫が過ごしやすいように整えましょう。

    • 床に物が散らばっていないか
    • 猫にとって有毒な食べ物や植物は置いていないか
    • 脱走防止フェンスは取り付けたか

    保健所の猫の譲渡の流れ

    そもそも保健所というのは、主に人に関する業務を行っている施設であり、動物を保護するのは一時的です。 
    後に、動物愛護センターへ収容されます。  
    そのため、正確には『動物愛護センターから引き取る』ことになります。

    地域によっては動物愛護センターがないところがあり、この場合は保健所が動物の管理をおこなっています。
    お住まいの地域はどの形態なのか、調べてみてください。
    ここでは、動物愛護センターから引き取る流れをご紹介していきます。

    手順1
    連絡をする

    まずはお近くの動物愛護センターに電話をします。

    いきなりセンターに行ってもタイミングによっては肝心の猫がいないことがありますので、電話で猫の収容状況を確認してください。

    また、保護猫ボランティア団体から引き取るときとは異なり、猫に合う前にいくつかの段階をクリアする必要があります。

    手順2
    事前調査票を記入・提出する

    はじめに『事前調査票』という申請書を提出します。

    名前や住所などの基本情報から、家族構成、職業や年収、猫を飼いたいと思った理由など、細かく聞かれます。

    猫を安心して譲渡できる家庭なのかを見極める重要な情報となるのですが、これが保健所が提示する条件を満たせなかったり、曖昧な回答だったりすると、譲渡を断られてしまうので、正確に記入しましょう。

    手順3
    譲渡講習会を受ける

    事前調査票を提出し、譲渡条件をクリアしたら、次は『譲渡講習会』(先の『保健所の猫を引き取る条件』を参照)を受けます。

    手順4
    猫とご対面、最終決定をする

    ここまでクリアすれば、ようやく保護猫たちに会うことができます。

    猫によって性格や育ってきた環境が異なり、どんな家庭に向いているかも異なるため、どの猫が家族になるのかは、その時のご縁となります。

    手順5
    猫を引き取り、譲渡完了

    運命の猫が見つかったら、譲渡日を決めてその日に引き取りに行き、譲渡完了、これで猫はあなたの家族です!

    お見合いの時に運命の猫が見つからなかった場合、希望の猫の条件を担当者に伝えておくと、希望に合った猫が保護されたときに連絡してもらえることがあります。

    以上が譲渡の流れとなります。

    注意
    保護猫ボランティア団体から引き取る時との大きな違いは、トライアルがないということです。
    そのためいきなり猫が正式な家族になるのですが、いざ一緒に生活してみたら、相性が合わなかった、思ったよりお世話が大変だった、など後からギャップを実感する可能性があります。
    保健所から引き取る際は、そのことを踏まえた上で、それでも責任を持って最期までお世話ができるか、よく考えなくてはなりません。
    少しでも不安に思ったり、不明点があれば、担当者にどんどん相談した方が良いでしょう。

    まとめ

    以上、保健所の猫の引き取り条件や引き取り方などをお伝えしてまいりました。

    筆者は以前、保健所や動物愛護センターは、生き物を容赦なく殺してしまう恐ろしい場所だとばかり思いこんでいました。
    ですが実際は、殺処分の現実と前線で向き合い、殺処分ゼロを目指して活動し、少しずつ結果を出し続けて今に至るのです。

    保護猫を救うため里親になることを決意した人たちにはぜひ、保健所で助けを求めている猫をあたたかい家庭に迎え入れ、殺処分をなくしていただければと切に願います。

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