この記事は、動物看護師及びペットフード販売士の有資格者が執筆・監修しています。
春を目前にして、可愛らしい子猫たちの出産ラッシュがやってきます。
猫の出産シーズンは年に2回で、春と秋に訪れるといわれていますよ♪
yuki
とびきりキュートな子猫を迎えたら、真っ先に整えてあげたいのは食事面について。
子猫を迎えたばかりで、餌の与え方が分からなかったり、子猫を迎えたいけれど、どんな餌を与えれば良いのかといった声も多く、気になることはたくさんあるかと思います。
- 子猫は何を食べるの?
- 成猫と同じ量を与えるの?
- 餌やりのタイミングは?
上記のように、子猫の餌に関する疑問は挙げるとキリがありませんが、飼い主としては、子猫にすくすくと成長してもらうためにも、しっかりと食事面の管理はしてあげたいところ。
この記事では、子猫の餌の与え方をはじめ、キャットフードの量や餌やりの時間、子猫が餌を食べない時の対処法まで、詳しくご紹介していきます。
先日、子猫を迎えたばかりの筆者と一緒に、子猫の餌にまつわるお悩みを解決しましょう!
もくじ
子猫の餌の成長段階別の与え方|適切な量・回数・時間は?
子猫は産まれてから、約1年間で成猫となります。
あっという間に大きくなる子猫の成長スピードには驚くものがありますが、著しく成長する子猫のためにも、成長段階に合わせた餌を与える必要があるでしょう。
適切な餌の量や回数、時間も、その時々の子猫の成長によって変わっていきますので、成長段階別に解説していきますね。
子猫の餌の成長段階別の与え方は、下記のとおりです。
- 新生子期(授乳期) :生後1ヶ月頃まで
- 幼猫期 (離乳期) :生後2ヶ月頃まで
- 成長前期 :生後3ヶ月~4ヶ月頃まで
- 成長後期 :生後5ヶ月~12ヶ月頃まで
新生子期(授乳期):生後1ヶ月頃まで
種類 | ●母猫の母乳 ●市販されている子猫用ミルク |
量(1回分) | ●生後1週間で、2~4ml程度 ●生後2週間で、5~10ml程度 ●生後3週間で、10~15ml程度 |
回数 | ●生後1週間で、3時間に1回程度 ●生後2週間で、4時間に1回程度 ●生後3週間で、5時間に1回程度 |
時間 | 朝・昼・夜・深夜 |
与え方 | 子猫用ミルクの場合⇒ミルクをお湯で溶かしたら、専用の哺乳瓶やシリンジ、またはスポイトを使用し、与える |
授乳期の子猫は、主に母猫の母乳または子猫用ミルクが食事の中心となります。
この世に産まれてから、生後4週間未満の子猫は、人間で例えるならまだ新生児の赤ちゃんのような時期ですね。
目も開いていませんし、自分の力だけでは歩くことすらままならないので、母猫がいる場合は母猫の、母猫がいない場合は人間のサポートが必要となります。
自宅で産まれた子猫の場合、母猫の母乳が栄養源となるので、基本的なことも含めて、子猫のお世話は母猫に任せておきましょう。
もし、産まれて間もない子猫を引き取ったり、どこかで保護した場合などは、市販されている子猫用ミルクを与えることで母乳の代わりになるので、心配しないでくださいね。
数時間おきにミルクを与えなくてはならないので、お世話が大変な時期ではありますが、授乳期に蓄えられる子猫の栄養というものは、今後の成長にも影響をもたらします。がんばって、健康な子猫に育ててあげてくださいね!
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幼猫期(離乳期):生後2ヶ月頃まで
種類 | ●子猫用ドライフード ●子猫用ウェットフード ●子猫用離乳食 |
量(1日分) | ●生後4~7週間で、50g程度 |
回数 | ●生後4~7週間で、4~5回程度 |
時間 | 朝・昼・夜・深夜・早朝 |
与え方 | 子猫用ドライフードの場合⇒お湯、または子猫用ミルクでドライフードをふやかし、与える |
離乳期の子猫は、ふやかした子猫用ドライフードまたは子猫用ウェットフードや子猫用離乳食が食事の中心となります。
生後4週間以降の子猫は、ありとあらゆるものに興味を持つ年頃で、だんだんと乳歯も生え揃う時期へと突入します。
食事面も、母猫の母乳や子猫用ミルクよりも、栄養価がぐんと高いドライフードやウェットフード、離乳食に切り替えていくタイミングといえるでしょう。
母乳やミルクを主食にしていた子猫にとって、硬いドライフードはまだ上手に食べられないことがほとんどなので、お湯やミルクでふやかしたドライフードを与えてあげてくださいね。
時間を決め、規則正しく餌を与えることがベストですが、子猫の成長にはたくさんの栄養が必要となるので、もっと餌を欲しがる場合には、追加で与えても良いでしょう。
離乳期には肥満の心配もいりません。それよりも、栄養不足にだけはならないように、子猫が満足するまで餌を与えてあげることが大切ですよ。
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キャットフードと似たようなパッケージのおやつも存在しますので、食事として与える場合は、「総合栄養食」と表記されている商品を選びましょう。
成長前期:生後3ヶ月~4ヶ月頃まで
種類 | ●子猫用ドライフード ●子猫用ウェットフード |
量(1日分) | ●生後3ヶ月で、60g程度 ●生後4ヶ月で、70g程度 |
回数 | ●生後3ヶ月で、4~5回程度 ●生後4ヶ月で、4~5回程度 |
時間 | 朝・昼・夜・深夜・早朝 |
与え方 | 子猫用ドライフード、または子猫用ウェットフードを与える |
生後3ヶ月~4ヶ月ごろまでの子猫は、子猫用ドライフードまたは子猫用ウェットフードが食事の中心となります。
たった数日のあいだに見違えるほど、日増しに成長する時期ですので、食事面では餌を与える量・回数ともに増えていきます。
乳歯も生え揃い、硬い餌も食べられるようになるため、子猫用ドライフードはふやかさず、硬いまま与えても構いません。
ただ、子猫の口はまだ小さく、噛みごたえのあるドライフードを思うように食べられない場合などは、お湯やミルクでふやかしたドライフードを与えてあげましょう。
ふやかす時間や水分量を徐々に減らしながら、硬いドライフードに慣れさせていくことがポイントですよ。
じゅうぶんな栄養を摂ってほしい時期です。たくさん食べてもらうためにも、ドライフードが食べづらい子猫には、ウェットフードとドライフードを混ぜたり、交互に与えるなどして、お腹いっぱいにしてあげましょうね!
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成長後期:生後5ヶ月~12ヶ月頃まで
種類 | ●子猫用ドライフード ●子猫用ウェットフード |
量(1日分) | ●生後5ヶ月~6ヶ月で、75g程度 ●生後7ヶ月~10ヶ月で、80g程度 ●生後11ヶ月~12ヶ月で、60g程度 |
回数 | ●生後5ヶ月~6ヶ月で、4~5回程度 ●生後7ヶ月~12ヶ月で、2~3回程度 |
時間 | ●生後5ヶ月~6ヶ月 朝・昼・夜・深夜・早朝 ●生後7ヶ月~12ヶ月 朝・昼・夜 |
与え方 | 子猫用ドライフード、または子猫用ウェットフードを与える |
生後5ヶ月~12ヶ月ごろまでの子猫は、子猫用ドライフードまたは子猫用ウェットフードが食事の中心となります。
子猫から成猫へ変化していく時期なので、見た目も成猫と変わらないまでに成長しますが、まだまだ子猫でもあるため、ヤンチャかつ可愛らしい盛りといったところですね。
食事面では、とにかく食欲旺盛ではあるものの、子猫の胃はまだ小さく、餌を消化しづらい状態にありますので、一気にたくさんの餌を取り込むことができません。
月齢が進むごとに餌を与える回数は減りますが、生後5ヶ月~6ヶ月までは、一日に与える餌の回数は4~5回程度とし、複数回に分けながら与えましょう。
生後7ヶ月以降は、今までのように餌の回数が多いと肥満のリスクが高まるため、一日に与える餌の回数は2~3回までに減らしていってくださいね。
健康的な成猫になってもらうためにも、成長のタイミングを見計らって、しっかりと愛猫の健康管理をしてあげたいですね♪
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子猫が餌を食べない原因と対処法
子猫が餌を食べない・・・どうして?
育ち盛りの子猫が餌を食べないなんて、飼い主としては心配でたまりませんよね。
子猫が餌を食べない原因と対処法は、下記のとおりです。
- 環境が変わった
- 餌が変わった
- 食べづらい大きさ(または硬さ)
- 容器に問題がある
- 体調に問題がある
環境が変わった
子猫が餌を食べないとしたら、まず考えられるのは環境の変化でしょう。
子猫を迎える場合、誰かから譲渡してもらったり、どこかから拾ってきたり、ペットショップやブリーダーから入手することが多いかと思いますが、今までとは違う場所に連れてこられた子猫は、環境の変化に戸惑うことがあります。
野良猫として生活していた子猫に関しては、特に警戒心が強く、落ち着くまでは餌を口にしないこともあるので、なるべく静かに見守ってあげてくださいね。
餌が変わった
今まで食べていた餌から違うものに変えた場合、初めて口にする味だと、子猫が食べないことがあります。
食べ慣れている餌に戻したり、食べ慣れている餌と混ぜてあげれば、また食べ始めることもあるので、餌の食いつきを観察しながら、子猫が気に入る味を調整してみてください。
また、子猫を引き取ったルートが分かっているのでしたら、そこでどんな種類の餌を食べていたのかを確認し、今までと同じ餌を与えるのも良いでしょう。
食べづらい大きさ(または硬さ)
お腹が空いていても、食べづらい大きさや硬さの餌では、子猫が食べられないこともあります。
餌を食べたい気持ちは山々だったとしても、子猫の口というのは驚くほど小さいため、子猫からすると大きかったり、硬かったりすると、なかなか思うようには食べられません。
ドライフードのように、硬さのある餌はふやかす時間を増やしたり、大きさのある餌は細かくすりつぶしたりと、子猫の食べやすい大きさや硬さの餌を与えてあげましょう。
容器に問題がある
先住猫が暮らしている場合、先住猫の匂いが付着した容器を使用すると、匂いが気になる子猫は餌を食べなくなってしまいます。
匂いはもちろんのことですが、先住猫の唾液が付着している容器でも同様に、子猫は「自分の餌ではない」と判断してしまえば、食べなくなる可能性も。
子猫にたくさん食べてもらうためにも、子猫専用に新しい容器を用意してあげてくださいね。
子猫の顔周りのサイズに対して、小さい容器や深い容器だと、容器にヒゲが触れてしまい、非常に食べづらい状態となるので、子猫のサイズに合わせた容器を選びましょう。
体調に問題がある
満腹で食べたくないだけなら心配はいりませんが、連日のように餌を食べない状態が続く場合、子猫の体調不良を疑わなくてはいけません。
食欲の低下として疑われる原因は様々ですが、いつも元気な子猫がぐったりしていたり、半日以上も飲まず食わずのようであれば、なんらかの病気である可能性が高いため、早めに動物病院で診察してもらいましょう。
子猫が衰弱するスピードは速く、見る見るうちに弱っていくので、少しでも「おかしいな」と思ったら、すぐに獣医師に相談してくださいね。
まとめ
子猫の餌の与え方をはじめ、キャットフードの量や餌やりの時間、子猫が餌を食べない時の対処法をお伝えしましたが、いかがでしたか?
子猫のあいだは、与える餌の種類から量まで、成長に合わせて細かく変えていく必要があるので、手のかかることも多いかと思います。
しかしながら、子猫の時期にじゅうぶんな栄養を考えながら餌を与えるということは、これから健康に成長してもらうための第一歩となりますよ。
栄養満点の餌で、可愛らしい子猫をお腹いっぱいに、元気いっぱいにしてあげましょうね!