猫を飼うことを決めたら、その猫をどこからお迎えするのかというのは、まずは大きな選択の第一歩といえるでしょう。
最近では、猫の入手方法としてペットショップやブリーダーから買わずに、「保護猫を引き取る」という選択肢を取る人が増えてきています。
猫の命を救うことができ、かつ、費用も抑えることができるのであれば、個人的なメリットのみならず社会的な貢献度も大きいというのが人気の理由のようです。
ですが、ペットショップと違って保護猫は譲渡条件があり、場合によっては断られてしまうこともあります。
また、譲渡に際する費用が実際はどのぐらいかかるのかということも、事前に知っておきたいところですよね。
この記事では、保護猫の引き取り方、譲渡の際の条件や費用、その際の注意点について解説します。
筆者は、保護猫ボランティアから猫を引き取るという選択をしましたが、ぜひ、あなたの猫探しの参考にしていただけたらと思います。
もくじ
保護猫はどこから引き取るのか?
保護猫はどこから引き取るのが良いのでしょうか?
そもそも保護猫とは、野良猫や捨て猫など人間社会にいながらも行き場がなく、近隣住民やボランティア、保健所などに保護された猫のことをいいます。
それぞれの引き取り元について詳しくみていきましょう。
保健所から引き取る
- 猫の命を救うことができる
- 雑種の猫が多い
- 健康状態が良くなく寿命が短い猫もいる
- 警戒心がとても強い猫もいる
- 希望の猫種と出会えるとは限らない
保護猫の引き取り元として、まずは保健所から引き取るという方法があります。
猫の命を救うことを第一に考えるとしたら、これが最も確実で、社会的にも大きな影響を与える手段です。
保健所に収容された経緯によっては、警戒心がとても強い子がいるのですが、なかには人慣れしていて飼いやすい子に出会えることもあります。
保護猫ボランティアから引き取る
- ボランティアのサポートが充実していて安心
- 人が好きな猫が多い
- トライアル期間がある
- 譲渡条件が厳しい
- 譲渡後も管理が厳しい
- 希望の猫種と出会えるとは限らない
猫に関するボランティア活動にはさまざなものがありますが、代表的なボランティア活動といえば里親のマッチング活動です。
各地で活動している保護猫のボランティアから、飼い主を募集している猫を引き取るという方法があります。
私の飼い猫もボランティア団体から引き取られた元・保護猫❤
今はとっても幸せに暮らしているんですよ♪
猫にとって充分な生活環境を確保することが難しい場合もある保健所と違って、ボランティアの保護猫は、ボランティアさんの各家庭で、普通の飼い猫と同じような環境で生活しています。
心と身体のケアはもちろんのこと、たいていの子は人慣れの訓練や、食事やトイレ、爪切りなどのしつけまでされています。
そういった意味でも、ボランティアの保護猫は、初心者の飼い主さんにとって飼いやすい性質の猫ちゃんが多いといえるでしょう。
また、譲渡の前後に、猫ちゃんの性格や好みに合わせたお世話の仕方や生活用品を教えてくれたり、定期的に様子を伺ってくれたりなど、ボランティア団体からのサポートが充実しているのも特徴。
特に、猫の飼養に不慣れな方にとってはこういった細やかなサポートはとても有り難く、精神的な負担がかなり軽減されます。
個人が保護した猫を引き取る
- 譲渡費用がかからない
- 譲渡条件や手順が比較的緩め
- サポートは期待できない
- 保護活動に不慣れな人の場合、取引に不安を感じるかも
ボランティアではないけれど、猫が好きで個人で野良猫や捨て猫を拾い里親を探す人もいます。
ボランティア団体よりも譲渡条件が緩めだったり譲渡までの流れが簡潔であることが多く、取引が成立しやすいですが、その分、全て自己責任でお世話をしなくてはならないので決して楽なわけではありません。
結局、面倒を見きれずに捨ててしまうようでは逆効果になり、その人の善意を踏みにじることにもなります。
地域猫を引き取る選択も
- 譲渡費用がかからない
- 野良猫を救える
- 地元に貢献できる
- 健康に難があり寿命が短い可能性がある
- 避妊去勢やワクチンなどの費用を負担する必要がある
- 猫の身元を特定しないと引き取れない場合がある
“保護猫”という括りではありませんが、保護される前段階で助けを求めている猫を引き取るという手段もあります。
つまり野良猫、いわゆる『地域猫』と呼ばれている猫です。
ただし、放し飼いにされている飼い猫を野良猫と間違えて捕獲し、勝手に連れて帰ると窃盗罪に問われることもあるので、引き取る前に必ず猫の身元を調べましょう。
ボランティアの人や近所の人に聞いたりすればわかるよ!
マイクロチップを埋め込んでいる可能性もあるから病院でも診てもらえばいいね^^
保護猫の譲渡の条件
それでは、保護猫の譲渡の条件について詳しくみていきましょう。
各保護猫団体によって、条件は多少異なりますが、ここでは一般的に定められている条件を挙げてみたいと思います。
猫を最後まで責任を持ってお世話できるか(終生飼養)
当然ですが、猫を飼うということは最期まで責任を持ってお世話をすることです。
したがって、保護猫の譲渡の条件として以下の点は特に厳しくチェックされます。
- 本当に面倒をみられるか
- 猫を叱ったり、手をあげたりしないか
猫と充分に触れ合ったり、充分な食事を与えたり、トイレを掃除したり、ブラッシングや爪切り、からだを洗うなどのお手入れをしたり、通院や老後の介護などのお世話が必要になります。
仕事が忙しくて、これらが疎かになってしまったり、面倒くさくなってしまう人には、譲渡はできません。
また、猫は人の言葉がわからないので、言うことをききません。
それで叱りつけたり、叩いたり、ごはんをあげないなどのお仕置きをしたりする人がいますが、猫には効果がありません。
逆に、「何故か嫌なことをされた」と思って、その人を警戒するようにさえなります。
そういう人にも、譲渡はできません。
猫は、愛護動物に指定されており、終生飼養が義務付けられています。
上記のような充分な、お世話を怠ったり精神的苦痛を与えたりすることは、動物愛護法違反となり1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
猫を飼える環境か
保護猫を引き取る前に、お住まいの環境をよく見直しておきましょう。
- 住まいがペット可であること。
- 同居人がいる場合、全員の同意を得ること。
- 長時間の外出、度重なる出張や旅行、引っ越しの可能性が低いこと。
- 完全室内飼育を徹底すること。
- 猫の行動範囲を確保できる、かつ、清潔であること。
お住まいがペット可の物件であることは、絶対条件です。
ペット不可なのにこっそり飼おうとしても、必ずバレて、退去させられてしまいます。
同居人がいる場合、必ず全員の同意を得てください。
アレルギーはないか、猫嫌いではないか、面倒をみてくれるか、など、後々トラブルにならないよう、しっかりと話し合いましょう。
そして、各保護猫団体は完全室内飼育をお願いしています。
今でも放し飼いにしている家庭がありますが、事件や交通事故に遭って命を落としてしまったり、野良猫から病原菌をもらってしまったりする危険性があります。
近隣住民に迷惑をかけてしまうこともあるので、猫は室内で飼い、脱走防止対策をしっかりと行ってください。
また、長時間の外出、度重なる出張や旅行、引っ越しの可能性が低いこと(後述)や、猫の行動範囲を確保できる、かつ、清潔であることも大切です。
避妊去勢手術やワクチン接種を行うことに同意しているか
避妊去勢手術やワクチン接種を行うことも、譲渡条件に含まれます。
中にはすでに団体が済ませている子もいますが、済んでない子を引き取る場合は、ご自身で病院に連れて行って手術をしてもらう必要があります。
費用は¥3,000~1万円ほどかかります。
よく「自然のままの方がいい」といって、手術をせずに飼育する人がいますが、猫はどんどん子どもを産み、結局面倒を見きれなくなって捨ててしまったり、近隣住民から苦情がきてしまったりと、かえって猫を不幸にしてしまうのです。
また、特にオス猫は発情期になると夜鳴きがうるさかったり、家中にスプレー行為(おしっこをひっかける)をしたりします。
むやみに不幸な猫を増やさず、ご自身が無理なく飼えるように、避妊去勢手術はとても大切なことなのです。
ワクチン接種については、様々な病気を抑制し、健康に長生きしてもらうためにも毎年行いましょう。
安定した収入があるか
当然ですが、猫にも生活費がかかりますので、里親希望者に毎月の安定した収入があるかどうかもチェックされます。
猫を飼うことは、猫の食餌やケア用品など毎月の決まった支出があり、それに加えて万が一の病気や怪我の場合には医療費が必要になります。
また、猫を飼うということは、予期せぬ出費がつきものということは、飼う前に念頭においておいた方がいいでしょう。
いざという時に慌てないよう、日頃から突然の出費のための猫貯金をしておくのがおすすめでです。
猫種にもよりますが、猫の生涯にかかる生活費用は、およそ90万円以上が目安となります。
以下に、生活費の内訳をまとめてみましたので参考にしてみてください。
項目 | 金額(目安) | 備考 |
---|---|---|
★食費 | 700円 | ドライフード1kgあたりの相場 |
★トイレ砂 | 700円 | 猫ごとに好みの砂がある。 |
トイレ | 3000円 | 猫1.5匹分ほどの大きさが使いやすい。 |
爪とぎ器 | 108円 | 100均のダンボールタイプでも充分研げるが、ダンボールが気に入らない子も。 |
爪切り | 980円 | 安物だと切れ味が悪く、猫も嫌がる。 |
キャリーケース | 3000円 | 通院や災害時に備えてハードタイプがオススメ。 |
ベッド | 3000円前後 | 寝る時や隠れる時に必要。 |
首輪orマイクロチップ | 108円 | 脱走時や災害時に備えて迷子札かマイクロチップをつけることを推奨。 |
ワクチン接種費用 | 2000〜5000円 | |
★ペット保険 | 400円〜5000円 | 怪我や病気に備えてぜひ加入を! |
※金額は参考値 ※★は毎月かかる費用 |
保護猫の引き取りにかかる費用は?
保護猫を引き取るときに、何にどのくらい費用がかかるのかをチェックしておきましょう。
項目 | 値段 |
---|---|
譲渡費用 | 2000〜3000円 |
ペット用品の初期費用 | 約1万円 |
健康診断 | 約1000円 |
ペット保険加入 | 1000〜3000円 |
ワクチン接種費用 | 2000〜5000円 |
避妊去勢手術 | 1〜3万円 |
譲渡費用は、寄付金と併せて活動資金にあてられます。
猫の生活の維持やTNR活動などにはお金がかかるため、譲渡費用の支払いをお願いしている団体がほとんどです。
保護猫ボランティアが日頃行っている活動で、
- Trap →捕獲
- Neuter →避妊去勢手術
- Return →元の場所に戻すこと(またはそのまま保護)
の3つの言葉の頭文字を取って『TRN活動』と呼ばれています。
猫は放っておくとどんどん子どもを産んで繁殖するため、不幸な猫を増やさないためにもTNR活動が必要不可欠です。
保護猫を引き取るにあたり、最初に最低限揃えておきたいペット用品はこちら。
- 食餌
- 食器
- トイレ+砂
- キャリーケースまたはケージ
- 爪とぎ器
- 脱走防止アイテム(柵やフェンス)
ケージは特に高額ですが、格安でレンタルできる場合があります。
節約のため100均のワイヤーフェンスでケージを手作りする方もいますが、100均のワイヤーフェンスの耐重量は1〜3kg。
対して、猫の体重は4kg以はある上に、飛び乗った時にはさらに負荷がかかります。
思わぬ事故に繋がる可能性がありますので、ケージの手作りは控えましょう。
脱走防止対策用に窓や玄関に設置する柵やフェンスが必要ですが、こちらでしたら100均のワイヤーフェンスでもしっかりしたものが作れます。
筆者は、ペット保険に加入することを推奨します。
本来、怪我や病気で病院に行くと、2000円〜数十万円もの治療費がかかります。
ですが、ペット保険に入っていると、治療費の50〜70%をペット保険が負担してくれるので、経済的な負担が大幅に減ります。
保険には様々な種類や条件があるので、よく調べてから加入しましょう。
保護猫の里親になる条件が厳しい理由
条件が厳しくて、少し不安になってしまったでしょうか。
ペットショップとは異なり、ボランティア団体は猫の命を守るために活動をしているので、このようなルールを設けているのです。
- 里親に責任を持って最後まできちんと面倒をみてもらうため
- 犯罪から猫を守るため
非常に残念なことですが、里親を装って引き取った猫を虐待したり殺してしまったりする凶悪な人間が現実に存在します。(これらの行為は動物愛護法違反となります)
このような事件を防ぐためにも、譲渡条件を厳しく設定して、里親候補者の人間性を見極めているのです。
次では、特に譲渡を断られやすい条件やその理由を詳しく解説します。
一人暮らしの場合
基本的には一人暮らしの里親さんには、譲渡が断られる場合が多いです。
なぜなら、いくら室内飼いであっても猫を長時間放置しておくことは、様々な不測の事態に対応ができなくなる可能性が高くなるからです。
- 部屋中を走り回って家具を倒したり壊したりする
- 電気コードにイタズラをして火災を招く
- 食べてはいけないものを食べて具合が悪くなる
- 遊んでいて思わぬ怪我をする
- 脱走して戻ってこなくなる
一人暮らしの場合、どうしてもこれらの事態に気づくのが遅くなってしまいます。
それが、譲渡不可の一番の理由といっても過言ではありません。
ただし、保護団体が猫の個性を見極めて、ひとりで過ごすのが好きな性格だと判断した時は、譲渡可能な場合もあります。
しかし、だからといって、一匹だけの猫を長時間ひとりぼっちにするのは、猫の精神衛生上好ましくありません。
猫は寂しさを感じにくいと言われる生き物ではありますが、どんなに一人が好きな子でも、飼い主さんと遊びたかったり、甘えたかったりするときがあります。
飼い主とのコミュニケーションが少なすぎると、猫はストレスで体調を崩してしまったり、病気になってしまうこともあるのです。
外国人の場合
外国人の場合も譲渡を断られてしまうことが多いケースですが、以下の条件に該当すれば譲渡してもらえる可能性があります。
- 日本国籍を持っていて、日本に在住していること
- 転勤の可能性が低いこと
- 日本語が流暢に話せること
日本語を話せるかどうかはあまり問題ではありませんが、ボランティア団体としっかりと信頼関係を築くことがなによりも大事です。
小さな子どもがいる場合
小さな子どもがいる場合も、譲渡を断られてしまう可能性が高いです。
なぜなら、猫は大きな音や動き回るものが苦手とする性格の子が多く、元気いっぱいの子どもにストレスを感じてしまう可能性があります。
子どもは猫を触る時でも、その力加減がわからなかったりもしますので、怖がったり怒ったりした猫が子どもを引っ掻いたり噛みついたりしてケガをさせてしまうこともあるでしょう。
猫の福祉やご自身の子どもの安全を守るためにも、もう少しお子さんが大きくなってから猫の引き取りを検討すると良いでしょう。
高齢者の場合
猫は10年以上生きるといわれていますが、医療技術や猫に対する健康意識が進歩した今では、20年以上生きる子もいます。
高齢者だけで暮らしている場合、飼い主さんが先に亡くなってしまい、猫が置き去りにされてしまいます。
それでも、猫の面倒をみてくれる後見人がいれば、譲渡を検討してもらえる場合があるので、家族や知人に相談してみましょう。
同棲カップルの場合
同棲中のカップルも非常に断られやすいですが、その理由はこちらの2つ。
- 万が一別れた時に所有権争いになりやすい。
- どちらかが引き取っても、環境の変化により猫にとって大きなストレスになる。
保護猫団体が定期的に連絡をしたり自宅に訪問することもあり、それらへの抵抗が強い傾向にある同棲カップルへの譲渡は厳しくなってしまうのです。
◆◆◆
『猫を引き取りたいのに条件が厳しすぎて断られてしまう』
『そこまで厳しくしなくても猫助けになるんだからいいじゃない!』
そんな声も聞かれている保護猫の里親条件をめぐる問題ですが、条件が厳しくなるのにはそれなりに理由があります。
保護団体やボランティアさん方は、辛い過去を持った猫たちをケアしながら、『次こそは温かい家族を』と猫の幸せを切に願いながら日夜譲渡活動をされています。
ですので、たとえあなたが保護施設で飼いたい猫も出会ったとしても、保護主の提示する条件をクリアしなければ、それはご縁がなかったことと同じだということです。
ですが、最近では、保護猫のシェアハウスや、マンション、一時預かりボランティアという形で猫がいる生活を体験することもできます。
譲渡対象から外れやすい一人暮らしの方や外国人の方、高齢者などでも、里親さんが見つかるまでの短い期間のお世話になりますが、そのお気持ちがあれば、気軽に猫との生活にチャレンジできるでしょう。
保護猫の譲渡の引き取り方と流れ
里親希望者は、譲渡会や、里親募集サイト、ボランティア団体のブログなどから申し込むことができます。
譲渡までの流れは、次のとおり。
STEP 1譲渡申込みをする
飼いたい猫ちゃんが決まったら、まずは譲渡(里親)申込書から希望の猫ちゃんを指名します。
※譲渡会で申し込む場合
→譲渡会場で申込書が手渡されるので、必要事項を記入しその場で提出しましょう。
※里親募集サイトから申し込む場合
→里親申込みフォームかに必要事項を記入し送信します。
記入項目の例は、以下のとおり。
- 名前
- 連絡先
- 家族構成
- 年齢
- 年収
- 応募理由
- 住居形態
- 先住動物の有りor無し
審査の判断基準となるので細かく聞かれますが、しっかりと回答しましょう。
STEP 2ボランティア団体による審査
ボランティア団体による申込書内容の確認後、里親に相応しいかを審査されます。
STEP 3譲渡方法やトライアル開始日などを決める
無事に審査が通ったら、いつからトライアル期間を開始するかをボランティア団体と話し合って決めます。
トライアルとは、別名を仮里親期間といい、一定期間を設けてお目当ての猫ちゃんと試しに一緒に生活してみる期間をいいます。
猫は繊細な動物であるゆえに、先住猫との相性やお住まいの環境になかなか馴染めなかったりする場合もあり、トライアル期間では正式な譲渡前に自宅で本当に飼育可能かどうかを試すことができます。
これにより「思ったのと違う」という事態を回避できることが、トライアルの最大の利点といえるでしょう。
STEP 4誓約書に記入する
譲渡審査を通り、トライアル開始日を決めたら、誓約書に署名し提出します。
誓約内容は、主に以下の通りです。
- 猫の終生飼育(最期まで責任を持ってお世話する)をする。
- 充分な食事を与え、適切な健康管理を行う。ワクチン接種や避妊去勢手術をさせる。
- しつけとして、叱責や体罰を与えたり、食事を与えなかったり、外に閉め出したりはしない。
- 完全室内飼育をし、万が一脱走したり迷子になったりした場合はただちに団体へ報告する。
- 住所や電話番号などを変更した場合は、団体へ報告する。
- 猫が死亡した場合は、団体へ報告する。
- 定期的に猫の様子を団体へ報告する。
なお、トライアル期間中は猫の所有権は団体にあります。
正式譲渡後であっても誓約違反と認められた場合は、猫を返還しなくてはならないと明記している団体もありますので、どんな時も愛情と責任を持ってお世話することを常に心がけましょう。
STEP 5トライアル開始
誓約書を提出したら、いよいよトライアル開始日に猫がやってきます。
ボランティア団体の人が自宅まで届けに来てくれます。
この日までに、猫の生活用品を揃えておきましょう。
ボランティア団体から特定の商品を指定されることもあります。
STEP 6トライアル終了
トライアル期間を経て、問題なく猫が安心して暮らせると見込めれば、晴れて正式譲渡となります。
ここで、譲渡費用をボランティア団体へ支払い、譲渡が確定します。
団体によっては、誓約書を提出する時(STEP4)に一緒に支払うこともあります。
これでついに、猫が新しい家族になります。
トラブルに注意!保護猫の譲渡の際気をつけることは?
以上のことを踏まえて、保護猫を引き取るときに気をつけるべきポイントをまとめました。
- 絶対に飼育放棄しないこと!
- 猫の状況を定期的にボランティアに報告する
- ボランティアとのルールを守る
いざ猫を引き取ってみたら『想像以上にお世話が大変だった』『猫アレルギーが発症してしまった』などという身勝手な理由で、ボランティア団体に返したり、捨ててしまったりするパターンが非常に多発しています。
猫は環境の変化が大変苦手な生き物です。
住む場所や接する人間がコロコロ変わることで、パニックになり心を閉ざしてしまいます。
猫にとってすれば「何度も人間に捨てられた」ということになってしまい、再び心を開くのにはとても長い時間がかかります。
これではせっかくの保護活動が、逆効果になってしまいます。
軽率な行動で猫を不幸にしないよう、しっかりと意志を固めてから臨むことが大事なのです。
猫を捨てる行為は動物愛護法に違反する行為になります。
おわりに
保護猫の譲渡条件や費用について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
保護猫を引き取る、猫の里親になるという選択は、猫の命を救うという動物愛護の観点からも非常に社会的貢献度の高い、素晴らしい選択であることは間違いないのですが、一方で、命を預ける性質のものであることから譲渡条件が非常に厳しいことも現実です。
この厳しい譲渡条件があるがゆえに、ペットショップからの購入を検討する人も少なくありません。
ですが、このような条件が設定されるようになった背景には、これまで里親募集をめぐるさまざまなトラブルや痛ましい事件があったことも事実。
保護主やボランティアの思いを考えると、猫の幸せを願い、保護猫を飼養に適したより良い譲渡先に委託したいと考えるのは当然ではないでしょうか。
保護猫を飼うという選択をする時、厳しい条件をクリアしなければならない場合もありますが、最も大切なことは、”どんなことがあっても”終生大切にお世話をするというあなたの強い覚悟にほかならないということです。